(1)高度情報通信社会の意義
1.新たな社会革命
高度情報通信社会とは、人間の知的生産活動の所産である情報・知識の自由な
創造、流通、共有化を実現し、生活・文化、産業・経済、自然・環境を全体とし
て調和し得る新たな社会経済システムである。このシステムは、制度疲労を起こ
した従来のシステムにとって代わり、かつての市民革命や産業革命に匹敵する「
情報革命」とも言える変革の潮流を生み、経済フロンティアの拡大、国土の均衡
ある発展の促進や、真のゆとりと豊かさの実感できる国民生活が実現されるもの
と期待される。
2.情報通信インフラ整備の必要性
21世紀に向けてこうした高度情報通信社会の構築に向けた動きを加速・推進
するためには、情報・知識の創造・流通・共有化を支える高度な情報通信インフ
ラを早急に整備しなければならない。これは多大な投資を伴うものであり、情報
通信に関連した産業の市場規模を拡大し、リーディングインダストリーとしての
役割を強めるだけではなく、人間の知的生産活動の活性化を通じ、多くの新規事
業を全国各地に創出しうるものである。
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