体力・栄養・心理の側面体制について
体力・栄養・心理の側面体制について
唐津邦利(熊本県体協スポーツ医科学委員会専門委員会)
(山口大学大学院教育学研究科運動科学講座)
国内最大のスポーツイベントである第54回国民体育大会が平成11年、本県で開催されますが、本県
選手団が開催県にふさわしい可能な限りの優秀な成績を収めることはひろく県民の望むどころです。その
実現のため、県競技力向上対策本部では総合計画と年次計画をたて、選手強化事業を計画的に展開されて
います。
一方、県体育協会では、早くからスポーツ医科学委員会(委員長;澤田芳男)を設置し、また、県医師
会では、スポーツ医会を組織され、各競技担当ドクター制を採用し、皆さんの活躍を支援する体制を整え
ております。
ところで、スポーツ選手が個々人の健康状態や体力水準など、自らの情報を性格に把握することは、競
技力を向上させるための出発点でもあり、トレーニングの計画をたてたり、実践する上でもとても大切な
ことです。
そこで、スポーツ医科学委員会では、委員会にスポーツドクターと生理・運動学、体力管理・分析学、
心理・社会学などのエキスパートで構成する専門委員会を組織し(1992.12)、勝利を目指す選手の皆さん
にとって、より効果的な競技力の向上を図る上で一つの指針を決める重要な記録が残り、また、カレンダ
ーとしての機能をも併せ持つ「スポーツ選手手帳」を、熊本日日新聞社「文化・スポーツ基金」の助成を
得て作成致しました。(1994.3)
1.スポーツ選手手帳の概要
以下の内容(17×11×0.5cmのサイズ、66頁)の手帳を、45競技団体(小・中・高・大・成
人向き)に配布され、国体選手・候補選手への指針とした。
はじめに...............1
1.私の基本情報............2
2.家族の病気の記録..........3
3.既往歴...............4
4.主な出場大会と成績の記録......5
5.体調チェック............6
6.体力検査記録
(1)形態項目.............7
(2)機能項目.............9
7.臨床検査記録
(1)臨床検査所見...........11
(2)整形外科的メディカルチェック...15
(3)女子選手用記録..........17
(4)健康診断及び診察の記録......19
8.心理テスト.............25
9.付表(体力ノルム).........33
10.カレンダー.............41
11.アドレス..............65
2.実践例(以下については当日紹介する)
1)体力面について
熱心な指導者をもつ競技団体ではよく活用している。
2)心理面について
スポーツ心理の専門家によって競技団体の要請や研修の機会を通して、手帳にある心理面のテストや
メンタルトレーニングなどの処方を行っている。
3)栄養面について
熱心な指導者のいる剣道の場合の取り組み、特に女子選手の貧血と食生活改善などについて。
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