このように、情報長寿社会に向かって、高齢者支援情報通信システムやサービスは 市場として大きく拡大する可能性を持っている。(表4)
表4 2010年の高齢者消費市場と情報通信関連市場の予測 高齢者消費市場 情報通信関連 (B/A) (A) 市場(B) (%) 食料 19.43 0.00 0.00 住居 6.61 0.17 2.51 光熱・水道 6.39 0.00 0.00 家具・家事用品 3.14 0.00 0.00 被服及び履き物 5.30 0.00 0.00 保健医療 9.78 0.53 5.46 交通・通信 17.62 6.79 38.52 教育 1.11 0.02 1.41 教養娯楽 21.88 10.69 48.84 その他の消費支出 32.58 0.91 2.80 合 計 123.84 19.10 15.42 情報通信関連機器市場 家庭 1.48 医療施設・老人福祉施設等 0.04 合計 1.52
利用者側(高齢者や介護家族)でのコストについては、利用者の自己負担を基本と しつつも、負担能力を超える部分については何らかの公的支援が必要になろう。シス テム構築コストについては、今後整備が進む情報通信インフラを最大限活用すること でコストの低減が図れるが、システムによっては、インフラ整備が完了する前に強い 利用ニーズのあるものもある。これらのシステムを個別に先行的に整備するには大き なコストがかかるため、何らかの公的な支援措置が必要と考えられる。(図5)
いずれにしても、高齢者支援情報通信システムは十分な費用対効果の検討の上に整 備されるべきであり、システム導入によってかえって高齢者支援のための社会的な負 担を増加させるようなことは避けなければならない。