要約−第4章

第4章 高齢者支援情報通信システムに求められる条件

4−1 高齢者、介護家族が使用するうえで求められる条件

 高齢者やその介護者は、身体機能や費用負担能力などの面で制約が大きい場合があ るので、高齢者支援情報通信システムの導入・普及に当たっては、操作性や機能性に 十分留意すると共にデザイン面や費用面に配慮し、高齢者やその介護者等の状況に合 った条件で提供していくことが不可欠である。

 アンケート調査結果によれば、一般高齢者では手操作をしないで済むような情報機 器のガイド機能、コントロール機能の高度化への要望が強かったが、介護家族では、 手操作をしやすくする操作性の向上が上位に上がっている。また、中高年層では「キ ーボードが不要」など未来的な機能補完を期待している。このように、高齢者支援情 報通信システムに求められている条件は、利用者の立場や年代によっても違いがある。 (表3)

   表3 情報通信機器に関する要望
       (現在準備中です)

4−2 介護スタッフ、介護施設が使用するうえで求められる条件

 専門的に高齢者介護を行うスタッフや介護施設等にとっては、情報通信システムは 自らが提供するサービスや業務を高度化し充実させるための手段であり、情報通信シ ステムに求められる条件も、高齢者本人や介護家族にとっての条件とは異なるものに なる。

 例えば、高齢者では操作性についての特別な配慮が必要になるが、介護施設等で利 用するシステムではシステムそのものの能力や機能がより大きな条件になる。特に、 今後分散型の介護環境を十分に機能させるためには、介護施設のシステム相互の接続 性を確保することが重要な条件になっていくと考えられる。また、情報通信を利用し たサービスに対する料金体系の明確化も必要になってくる。


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