一般に、高齢者は新しい技術や新しい機器には馴染みにくく、新しい情報通信シス テムの利用には消極的であると考えられがちである。しかし、本調査研究で実施した アンケート調査およびヒアリング調査では、高齢者自身をはじめ高齢者を在宅介護す る家族、各種の介護支援施設にも、介護を支援する情報通信システムに対して切実な ニーズが存在し、次のような情報通信システムの整備が強く求められていることが分 かった。(表1)
表1 介護支援分野でのシステムニーズの強さ (得点による順位付け) 順位 一般高齢者 得点 介護家族 得点 中高年層 得点 1 広域自動緊急通報 80.0 広域自動緊急通報 77.2 広域自動緊急通報 92.0 2 介護相談 72.5 高齢者位置探査 76.4 医療相談 85.2 3 高齢者位置探査 71.8 介護相談 71.1 介護相談 83.1 4 医療相談 70.0 医療相談 70.6 福祉ショッピング 82.0 5 会話支援 68.8 福祉ショッピング 64.1 会話支援 81.9 6 福祉ショッピング 65.7 会話支援 63.6 高齢者位置探査 77.4 7 自動誘導 53.7 自動誘導 49.0 自動誘導 63.5 ※「ぜひ利用したい」〜「全く利用しない」の5段階評価の回答を 得点化し集計したもの。 (100点=「ぜひ利用したい」〜0点=「全く利用しない」)
アンケート調査結果によれば、ライフプロモーションを支援する情報通信システム やサービスに対して特に中高年層での利用意向が強く、以下のようなシステムに対し て、20〜30年後に大きなニーズが生まれると考えられる。(表2)
表2 ライフプロモーション分野でのシステムニーズの強さ (得点による順位付け) 順位 一般高齢者 得点 中高年層 得点 1 生活情報電話サービス 63.4 自宅就業システム 82.5 2 ボランティア参加支援 61.0 仕事紹介サービス 78.9 3 スポーツ相談サービス 55.7 習い事サービス 77.2 4 習い事サービス 55.0 生活情報電話サービス 76.3 5 自宅就業システム 51.6 ボランティア参加支援 76.0 6 仕事紹介サービス 50.6 趣味の電話サービス 73.7 7 趣味の電話サービス 49.8 スポーツ相談サービス 66.5 8 お年寄専用チャンネル 46.7 お年寄専用電話 65.7 9 お年寄専用電話 44.4 お年寄専用チャンネル 59.6 ※「ぜひ利用したい」〜「全く利用しない」の5段階評価の回答を 得点化し集計したもの。 (100点=「ぜひ利用したい」〜0点=「全く利用しない」)