医薬品副作用情報 No.142(厚生省薬務局) 1997年3月


これは、医薬品副作用情報 No.142(厚生省薬務局)を基にMS−DOS テキスト用に日薬で入力したものです。出来る限り原報に近づけるよう配慮した つもりですが、図表など原報と形式が異なるところもあります。是非、原報でご 確認の上ご利用下さい。                               日本薬剤師会

情報の概要

1.タクロリムスによる脳症


医 薬 品:タクロリムス水和物

対  策 :使用上の注意の改訂、症例の紹介

情報の概要:タクロリムス水和物の投与による痙攣,振戦等の中枢神経系症状の発現

      については,既に使用上の注意に記載し,注意を喚起してきたが,最近,

      本剤投与後に全身痙攣,意識障害,錯乱,言語障害等の症状を伴う脳症

      が発症したとの報告があった。早期の発見と対応により回復する可能性

      があることから,このような症状があらわれた場合には,CT,MRI

      等による画像診断を行うとともに減量・休薬等の適切な処置を行うよう

      使用上の注意を改訂し,注意喚起を行った。



2.ゲメプロスト腟坐剤による子宮破裂,子宮頚管裂傷


医 薬 品:ゲメプロスト

対  策 :緊急安全性情報の配布、使用上の注意の改訂、症例の紹介

情報の概要:妊娠中期における人工流産においては種々の処置により子宮破裂,頚管

      裂傷,異常出血等が併発しやすいと言われているが,ゲメプロスト腟坐

      剤の使用時においても子宮破裂,頚管裂傷が報告されており,既に使用

      上の注意に記載し医療関係者の注意を喚起している。しかし,最近にお

      いても同様の報告があることから,今回新たに「警告」の欄を設け,な

      お一層の注意を喚起した。



3.テルフェナジンによるQT延長,心室性不整脈


医 薬 品:テルフェナジン

対  策 :緊急安全性情報の配布、使用上の注意の改訂、症例の紹介

情報の概要:テルフェナジンの投与によるQT延長,心室性不整脈等の心臓血管系症

      状の発現については,平成6年12月までに7例が報告され,平成7年

      1月に「警告」欄の新設を含む使用上の注意の改訂を実施し,注意喚起

      を図ってきた。しかしながら,その後もリスクファクターのある患者に

      本剤が使用されQT延長,心室性不整脈が平成9年1月末までに10例

      報告された。このため,テルフェナジンの使用上の注意を一部改訂する

      とともに,「緊急安全性情報」の配布を企業に指示し,適正使用を確保

      するため改めて注意喚起を行った。



4.[解説] 医薬品の適正使用のために


  輸血用血液製剤と輸血後GVHD

  対策:緊急安全性情報の配布



5.使用上の注意の改訂について(その102)−(本文省略)