35・30周年記念誌

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事務小委員会活動報告

UMIN事務小委員長
香川大学医学部医事課長
近藤 秀樹

1. 経緯
 大学医療情報ネットワークは、平成元年度に8大学・平成2年度に8大学の計16大学が接続されたことにより、平成2年10月開催の全国国立大学病院事務部長会議の議を受け、病院事務部として、大学医療情報ネットワーク運営委員会の中の事務小委員会に加わることを前提とし、平成2年12月25日に東京大学医学部附属病院で大学医療情報ネットワーク(事務部門)発足準備会が開催された。発足準備会は、北海道大学、東京大学、京都大学、大阪大学及び鹿児島大学で組織され、事務小委員会の性格、立場、権限等について種々意見交換が行われ、メンバー校は地方ブロックにはとらわれず、発足準備会の5大学に、中規模大学から群馬大学、新設医科大学から高知医科大学を加えた7大学とする。委員は、上記7大学の課長とし、1大学より2名程度出席させる。なお、事務部長は原則的に欠席とすることが決定された。また、このことは、平成3年2月14日開催の全国国立大学病院事務部長会議総務委員会に報告し、事務小委員会の設置が了承されたことにより、大学医療情報ネットワーク運営委員会事務小委員会が誕生することとなった。
 第1回事務小委員会は、平成3年2月20日に東京大学医学部附属病院で開催され、事務小委員会の位置付け・組織について協議の結果、@医療情報ネットワーク(UMIN)の事務部門での利用について検討し、その結果をUMIN運営委員会に具申することを目的とする。A検討内容については、その都度、全国国立大学病院事務部長会議総務委員会に報告するものとする。B事務小委員会はメンバー校7大学の21課長の官職委員でもって構成する。なお、委員会への参加は、毎回、当該大学の課長2名程度とする。C必要に応じて担当係長等をオブザーバーとして議事に参加させる。D事務小委員会の委員長は、国立大学附属病院医療情報部門連絡会議の会長校に大阪大学がなっていることなどを考慮し、大阪大学医事課長とする。E東京の持つ地理的条件等から、会場の手配等に当たっては東京大学がバックアップする。とのことが決定された。
 第2回事務小委員会(平成3年4月26日開催)から、国立大学附属病院医療情報部門連絡会議会長校が委員長となり、事務部門において活用を検討すべき事項の試案に基づき種々協議の結果、基本的な考え方として、当面できるものと将来できるものとに項目を整理し検討を進めることとなった。その後、3回の事務小委員会を開催し、平成4年3月末にこれまでの検討状況の結果をまとめ、UMIN運営委員会に報告を行なっている。事務小委員会では、活用を検討すべき項目とは別に、病院経営分析等に役立てる目的から、病院資料のデータベース化について検討してはとの意見が出され、これについては、全国国立大学病院事務部長会議 総務委員会を通じて文部省の意向を打診の上、進めていくこととなった。
 事務小委員会の発足時(平成2年度)には、UMINへの接続が16大学に過ぎなかったが、平成6年9月では、全国42大学に接続されていることから、第6回事務小委員会(平成6年9月8日)において、構成校の見直しなどを行った。見直しに当たっては、全国病院ブロック、使用電算機メーカー及び医療情報部の設置の有無等を勘案し、現在ブロックから1校しか参加していない北海道・東北ブロックから新たに東北大学、中部・近畿ブロックから名古屋大学、九州ブロックから熊本大学の3大学を追加し、構成校を10校とした。また、構成校(メンバー校)以外の大学から、国立大学附属病院医療情報部門連絡会議の会長が就任された場合は、会長在任期間中、当該大学に事務小委員会の構成校として参加願うものとした。さらに事務小委員会委員長は、事務小委員会設置当初の趣旨を尊重し、今後とも連絡会議の会長校にリンクさせて当該大学から選出することとした。
 第17回事務小委員会においては、委員会の活性化のため、新たに九州大学(前事務小委員長校)を構成校に加えることが承認された。また、歯学部の参加についても検討され、歯学部を持つ構成校等の担当課長に、オブザーバーとして委員会に出席してもらうこととなった。このことについては、平成10年5月22日開催の全国国立大学病院事務部長会議総務委員会に報告し、了承されたことにより、第18回事務小委員会(平成10年10月15日開催)から11大学が構成校となり、現在の事務小委員会の基礎が確立された。さらにオブザーバーとして北海道大学、東北大学、東京医科歯科大学、大阪大学、九州大学及び鹿児島大学の歯学部担当課長にも参加願い、UMINの利活用について検討を重ねることとなった。
 その後、平成15年度には事務小委員会の親委員会である大学医療情報ネットワーク運営委員会が大学病院衛星医療情報ネットワーク運営委員会と統合することになり、新たに大学病院医療情報ネットワーク協議会として発足することになった。これに伴い平成16年1月22日開催の事務小委員会で、委員会のあり方について協議した結果、委員構成は激変を避けつつ見直していくことが決定された。さらに平成17年1月20日開催の事務小委員会において、委員会の構成は大学病院医療情報ネットワーク協議会の代表会員校(後の幹事会校)の事務職員から選出し、委員長は互選とする方針が確認された。また平成18年4月1日付けで大学病院 医療情報ネットワーク協議会規程及び同幹事会規程が制定されたことに伴い、事務小委員会は同幹事会の下部組織として位置付けが明確になり、事務小委員会のメンバーも、幹事会構成校のうち事務職員が選出されている12大学で組織することになった。現在の事務小委員会の構成校は、幹事会構成校の2年任期の改選により、令和6年度から、旭川医科大学、秋田大学、筑波大学、山梨大学、岐阜大学、三重大学、滋賀医科大学、高知大学、香川大学、島根大学、佐賀大学、熊本大学、大阪大学(歯学部)の13大学で組織している。
 平成18年4月1日付けで制定された大学病院医療情報ネットワーク協議会幹事会規程第8条により、事務小委員会の委員長は幹事会が選任することとなっているが、慣例により幹事会委員長の大学病院の事務職員を充てることとしていることから、平成19年度事務小委員会(平成20年1月24日開催)において「事務小委員会申し合わせ」を作成し、本委員会の役割、委員構成、審議事項等を含め明確にした。
 事務小委員会では、発足以来、UMINの事務部門での利用について検討を重ね、電子メールシステムの活用に関しては、当初、42大学の事務部長及び3課長に官職指定利用者番号を付与していたが、平成9年3月歯学部附属病院、研究所附属病院、分院等に官職指定利用者番号の付与を拡大し、国立大学病院の情報交換網の整備を図ってきた。また国立大学病院事務部門における各種共同利用システムについては、文部科学省高等教育局医学教育課大学病院支援室、UMIN事務局及び開発担当大学のご協力により、現在までに、文部科学省文書広報システム、国立大学病院患者票等収集システム、診療報酬請求額・収入額収集システム、病院医療材料マスター検索システム、国立大学病院運営情報Q&Aシステム等が稼動しており、さらに事務部門の各種情報共有システムとして、各大学病院のご協力により先進医療情報、諸料金情報等が提供されUMINホームページに掲載しており、大学病院の運営改善等に役立っているものと思われる。

2. 現況
 事務小委員会の33年間の活動状況を踏まえ、令和6年度事務小委員会(メール審議(令和6年7月8日〜令和6年7月28日)にて開催)において、令和6年度の事務部門に係る活動の検討が行われ、UMIN役職指定メーリングリストの更新についての報告及び先進医療の届出状況や諸料金規程の情報を定期的に収集し、UMINホームページに掲載することが了承された。

3. 今後
 事務小委員会の今後の実施予定業務としては、UMIN役職指定メーリングリストの更新及び先進医療の届出状況や諸料金規程の情報の収集については、定期的かつ継続的に実施するが、さらに事務部門におけるUMINの利活用を促進するため、各大学病院への周知や新たな情報提供事項を検討していきたいと考える。これらUMIN利活用の推進は、各大学病院のご協力を得ることにより実施できるものであるのでご理解を願うところである。
 事務小委員会の活動につきまして、文部科学省高等教育局医学教育課大学病院支援室、UMIN事務局並びに大学病院医療情報ネットワーク協議会その他の関係者の皆様からのご指導ご助言とご協力に対しまして、より厚く御礼を申し上げます。