35・30周年記念誌

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UMIN 35周年のお祝いと更なる将来への期待

UMINセンタースタッフ(EPOC、DEBUT担当)
寺下 雄也

 今回UMIN設立35周年という大きな節目に、UMINのセンタースタッフとして迎えることができ大変嬉しく思っています。また、いつもお世話になっております先生方とともに記念誌へ原稿を載せる機会をいただけましたこと、大変光栄に思っております。
 私がUMINセンターへ籍をおいたのは2010年の9月のことです。UMINに来た当初はオンライン演題登録システム(ENDAI)を担当しておりましたが、前任者のIさんがUMINセンターから離れることに伴い、2014年から業務を引き継ぎ、Standard/Minimum EPOC、DEBUT(現在のPG-EPOC(E-POrtfolio of Clinical training for PostGraduates)、CC-EPOC(Clinical Clerkship E-POrtfolio of Clinical training)、DEBUT2(Dental training Evaluation and taBUlation sysTem))のオンライン臨床教育評価システムの担当となりました。
 引き継いでからの日々は本当にあっという間で、現在はオンライン臨床評価システムに専念しておりますが、当時はUMIN臨床試験登録システム(UMIN-CTR)やメーリングリスト(MilLion)、医薬品添付文書(MEDIS)、諸料金規程・先進医療情報のホームページ掲載等多くのサービスを兼任しており、時に木内先生のUMIN関係会議のお手伝いでつくばの会場に行くこともありました。業務に追われる日々でしたが、センターの皆様のご助力により、業務を分担することで乗り越えることができました。分担する過程で、前任の方が本当に様々な事柄でUMINを支えていたのだなと痛感いたしました。また、旧システムを引き継いだ当時は、各種運用から問い合わせ、申請処理の業務を1人で行っておりましたが、これらは今まで担当されてきた方々が作成してきた業務マニュアルが整備されていたことで成立しており、現在のオンライン臨床教育評価システムの事務局マニュアルの基礎となり、システムの改修に合わせ日々更新を続けております。現在、オンライン臨床評価システムチームは3人体制となり、日々の問い合わせや申請に対応しており、これらの業務をスムーズに回す一助にもなりました。
 PG-EPOC(EPOC2)の開発にあたっては、内容の調整のため東京医科歯科大学と東京大学を往復し、必須事項や項目の見せ方について調整を行いましたが、やはり開発と実際に現場で運用される方では視点が全く異なり、学ぶことが多く実りのある期間でした。実際の運用では、施設ごとに求められているものも多種多様で、ある施設が必要な機能を用意すれば、別施設では不要な調整の場合もあります。指導医であれば臨床現場での入力の簡便さ、特に時間が掛からないようにする工夫が求められ、メディカルスタッフであれば評価できない項目が多いため簡易な項目に、患者家族ではより簡素にまとめる等、それぞれの立場でも変わります。EPOC/DEBUT医師臨床研修指導ガイドラインや医学教育モデル・コア・カリキュラムといった基となるガイドラインに沿って作成されているため、すべての要望に応えることは出来ませんが、頂戴いたしましたフィードバックを基に、開発と協力して利用者に寄り添う形でのアップデートを引き続き行ってまいります。

(今後の展望)
 UMIN設立35周年を迎え、改めてUMINの果たす役割の大きさを認識するとともに、その一員として貢献できることに感謝しています。臨床教育評価システムは、医療の未来を担う人材育成に不可欠なツールです。今後も、先生方、実際に病院で業務を行っている担当者の方々のご意見を参考に、より使いやすく、より機能的なシステムへと発展させていくことが、私の使命だと考えています。
 今後、専門研修プログラムに向けたSP-EPOCの構想もあり、より大きなプラットフォームへの成長も期待しつつ、事務局として、エンドユーザーに近い視点を持ち、システムの改善に寄与出来るよう、邁進いたします。そして、UMINが今後も医療の発展に貢献できるよう、微力ながら尽力してまいりたいと考えております。