35・30周年記念誌

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UMINセンター35周年記念に寄せて

UMIN担当システムエンジニア
株式会社日立製作所
田苗 州一

 この度、UMINセンターが設立35周年を迎えるとのこと、おめでとうございます。その一助となれましたことを光栄に思います。
 私は2010年に着任いたしましたので、15年近く在籍させていただいていることになります。業務としては、ソフトウェアの開発・運用、利用状況に合わせたWeb・DBサーバ等の管理と、ソフトウェアからインフラまで幅広く担当させていただきました。この15年でソフトウェア、インフラともに大きく変化がありました。サーバについては従来の物理サーバに加え、仮想サーバの管理についても担当させていただいております。
 私が主に担当したシステムは、利用者管理システム、EPOC2(PG-EPOC、CC-EPOC)、DEBUT2等になります。利用者管理システムは機能追加が主でしたが、EPOC2、DEBUT2につきましては、要件定義段階より携わらせていただきました。EPOC2、DEBUT2とありますように、先任SEが構築した医師・歯科医師研修システムEPOC、DEBUTの後継システムでございます。旧システムはPCでの入力操作を行っておりましたが、EPOC2ではモバイル端末の個人所有が増加してきていましたので、モバイル端末での入力操作が行えるよう設計・開発を行いました。また、旧EPOCシステムでいただいていた要望についても反映いたしました。
 EPOC2は設計当初は旧EPOCと同じく初期臨床研修の評価入力を目的として開発しておりました。EPOC2の運用開始後、卒前実習でも評価入力に用いたいとのお話をいただき、卒前実習用に改修したCC-EPOCの運用を開始しました。それに合わせ、初期臨床研修用機能をPG-EPOCと名称変更しました。また、実習生/研修医自身が提供設定を行うことで、初期臨床研修プログラム側で卒前実習修了時点での評価を参照することができるようになりました。これにより、卒前実習(CC-EPOC)⇒初期臨床研修(PG-EPOC)の流れで実習生/研修医の評価データの登録を行えるようになりました。現状では研修医の9割がPG-EPOCを使用しているとのことです。
 歯科領域では、PG-EPOCをベースに、歯科初期研修用に評価項目を変更したDEBUT2も開発させていただきました。
 EPOC2系システムでは各種評価票の入力機能だけではなく、登録されたデータを匿名化し、研究者に御依頼いただいた形式で提供するプログラムも開発いたしました。システムについてさまざまな御要望をいただき、随時対応を行わせていただいておりますが、今後もより良いシステムを提供できるように改善していきたいと考えております。
 近年、フロントエンド、バックエンドともに技術の進化・分化が激しく、情報があっという間に古くなっていることもございます。新しい技術をキャッチアップ・検証することは大変ではございますが、新たな知見を得られるのは楽しくもありますので、エンジニアとしては幸せであると感じています。得られた知見でUMINサービスの利便性向上が図れそうな技術については、引き続き、フィードバックさせていただきたいと思います。
 今後どのように技術が進化するかはわかりません。利用者の使用端末の主流がPCからモバイル端末へ移行したように、新しいモノがあらわれることも考えられます。今後も技術の動向に注目し、UMINのサービス向上に努めたいと考えております。