
35・30周年記念誌
35・30周年記念誌へ戻る
UMIN 35周年のお祝いと更なる将来への期待
UMINセンタースタッフ(演題登録担当)
池永 裕輝
大学病院医療情報ネットワークセンター(以下、UMINセンター)の運用開始35周年、おめでとうございます。UMINセンターのサービスが開始された当初(1989年)はインターネットがまだ一般には普及していない時期であり、医療従事者や研究者が情報交換やコミュニケーションを行うための貴重なプラットフォームでした。それ以来、UMINセンターは常に時代の先端を走り続け、様々なサービスやシステムを提供してきました。例えば、臨床試験の登録や管理、医療文献の検索や閲覧、医療関係者の教育や研修、医療データの共有や分析などです。これらのサービスは、日本の医療や研究の発展に大きく貢献してきましたし、今後も貢献し続けると確信しています。
私はUMINセンターの運営スタッフとして、演題登録システムの構築や運用を主に担当してきました。演題登録システムは、学会や研究会で発表するための演題抄録を集約し、統合的に管理するためのシステムです。このシステムにより、研究者や専門家は自分の研究に関連する演題抄録を容易に検索したり、演題抄録の品質や進捗状況を確認したりすることができます。演題登録システムでは、これまでに320万件を超える演題抄録を収録しており、大規模な演題抄録データベースとなっています。また、最近では「演題査読システム」という新たな機能が追加されました。こちらの機能は、学会や研究会で発表を行う際に必要となる演題抄録の査読を、演題抄録の登録と同様にウェブ上で簡単に行うことができるものです。これまでは、UMINセンターのスタッフによるシステムの構築が必要であった査読システムを、学術集会の事務局様がご自身で構築できるようにクラウド化したもので、これによりこれまでの利用条件であった演題抄録の登録実績や準備期間による制限が撤廃されることになりました。私はこのような素晴らしいシステムの一員であることを誇りに思っていますし、今後もさらなる充実や拡充を目指して頑張っていきたいと思っています。
次に、将来への期待といたしましては、私はAI(人工知能)を活用したサービスやシステムの開発や導入に注目しています。AIは医療や研究において、様々な課題や可能性をもたらす技術です。例えば、AIは大量の医療データや文献を高速に処理し、分析や予測を行うことができます。これにより、医師や研究者はより効率的に診断や治療、臨床試験や研究計画を行うことができるようになります。また、AIは医療従事者や研究者の教育や研修にも役立ちます。AIは個々の学習者のレベルやニーズに応じて、最適なカリキュラムやフィードバックを提供することができます。さらに、AIは医療や研究の新たな領域や方向性を探求することもでき、人間では気づきにくいパターンや関連性を発見し、創造的な仮説やアイデアを提示することができます。私は、AIを活用したサービスやシステムが、UMINセンターの価値や魅力を高めるとともに、医療や研究の発展に貢献すると信じています。
UMINセンターは、今年で運用開始35周年を迎えました。これは、UMINセンターのサービスを利用してくださる医療従事者や研究者の皆様のご支援やご協力のおかげであります。心から感謝申し上げます。そして、今後もUMINセンターは、医療や研究の発展のために、最先端の情報技術を駆使して、高品質で信頼性の高いサービスを提供し続けることをお約束いたします。UMINセンターの更なる将来にご期待ください。ありがとうございました。