35・30周年記念誌

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UMIN 35周年のお祝いと更なる将来への期待

東京大学医学部附属病院事務部長
元文部科学省医学教育課大学病院支援室長
島居 剛志

 UMIN発足35周年を迎えられ、心からお慶び申し上げます。
 私とUMINとの関係は、平成10年4月に文部省高等教育局医学教育課大学病院指導室に異動になった時から始まりました。平成元年度から運用されていますので、ちょうど10周年を迎えるタイミングであり、この35周年記念誌執筆に当たって、10周年記念誌を拝見した際に、当時大変お世話になった先生方や事務部課長の皆様方のお名前を懐かしく思い出しました。
 当時の大学病院指導室では、UMINを活用して、各大学病院への事務連絡、国立大学病院資料収集システムや大学病院概況収集システムなどの統計資料の収集などをオンラインで行っており、文部省内の他部署と比較しても、業務の情報化・合理化が進んでいる部門であったと思います。
 通常の業務に欠かせない状況であったため、異動後すぐにUMINユーザIDを取得し、慣れない中で業務を行うことになりましたが、各大学病院の担当者も同じ状況であったと考えられ、お互いにメールの着信やデータの確認等を行いながら徐々に慣れていった時期でした。利用者からの問合せや苦情等が多く寄せられて大変だったと思いますが、スタッフの皆さんに丁寧なサービスを提供していただきました。
 それ以来、関わりのある部署での勤務が長くなり、とても使いこなしているとは言えませんが、大変お世話になり続けています。令和5年4月に現職に就任し、実際の作業を行うことは減りましたが、それでも・文部科学省文書広報システム・各種業務系メーリングリストを活用させていただいています。
 UMINの業務も時代とともに見直されてきました。現職の就任と同時に、国立大学病院データベースセンター(DBC)のセンター長を務めていますが、このセンターが設置された当時には、それまでUMINのプラットフォームを活用して実施されてきた調査も一部DBCに引き継がれたと聞いております。また、DBCにおける各大学病院への調査の依頼、データの収集及び集計結果の各大学病院への提供について、UMINのネットワーク環境を利用した情報伝達を活用させていただき、DBCの業務改善に不可欠なものとなっております。
 さらに、国立大学の法人化を経て、現在、大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)センターは、東京大学医学部附属病院の中央診療部門として運用されています。ただし、業務内容は、東大病院のみを対象とするものではなく、全国の大学病院を中心とする医学・医療関係者に対して情報サービスが行われています。社会的な必要性の変化に伴い業務内容も変遷しており、それに呼応する形で、学会情報データベース、研究助成データベースなどの研究、臨床教育評価システムなどの教育、その他、教職員・学生公募システムが中心的な業務となっています。
 大学病院の運営の効率化等が求められる中で、大学病院共通の情報化のためには、関係者による連携や協力が不可欠であり、このような状況下においても情報及び人的ネットワークを整備し、UMINを現在の規模まで発展させた木内教授及びセンターのスタッフの皆様のご尽力に敬意を表します。
 これまでの関係者のご努力により、医学・病院関係者の間では高い知名度と多数の利用者を誇っていますが、今後は、東京大学医学部附属病院の組織の一部であることを踏まえた上で、全国の大学病院の教育や研究面など様々な面での発展につなげていくことが益々期待されています。
 UMINと各大学病院をはじめ関係機関の一層の発展を祈念しております。