MINCS-UHの目的

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人類は、がんやエイズなど生命を脅かす危険に直面しているとともに、高齢化社会の進展による心臓病や呼吸器合併症など多くの問題を抱えており、これらに対する医療の確立は、人類の切実な願いといます。大学病院は、1)高度の医療技術の開発を行う特定機能病院として、また2)地域の中核的医療機関として高度先進医療を提供することが社会的にも期待されています。大学病院衛星医療情報ネットワークの目的は、大学病院間での高度な医学研究・医療情報の交換を行い、大学病院間の診療機能の高度化を図ることにあり、これはさらに地域のみならず日本、また世界の医療水準の向上や医学の発展に寄与するものと考えます。

この目的を達成するために、大学病院衛星医療情報ネットワークでは、国立大学病院の中で拠点となる8大学病院(北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、岡山大学、九州大学)に、1)デジタルハイビジョンを利用した高精度の衛星通信動画像の送受信装置、2)双方向通信の行える2系統の衛星通信回線及び送受信装置、3)セキュリティを考慮した暗号処理装置を整備しました。


具体的な利用例として、以下のようなものが検討されています。

高度先進医療の実況放映

各大学病院で行われる高度な先進医療の状況(手術等)をリアルタイムで送信し、医師等がそれを見ることにより最先端の医療技術を修得できるようにする。

合同クリニカルカンファランス・CPC

特定症例に関し複数の大学病院専門医が実際の資料を見ながら討議する。

学部学生の講義・実習、及び臨床研修医師のチュートリアルへの活用

各大学の特色を生かした教育用の講義・チュートリアルを放映して、他の大学の学部学生や臨床研修医がこれを受講可能なようにすること。

病院スタッフの技術研修

各大学の経験を生かして、看護婦や検査技師、放射線技師の病院スタッフの技術プログラムを放映すること。

地域医療への貢献

地域の医療機関に対して、最先端の医療技術の提供を行うこと。

災害時の医療情報提供・情報支援

災害等の非常時には、医療情報の提供・情報支援を行うための、連絡回線として利用する。

病院情報システムの連携

将来、病院情報システムとの連携により、様々な医療情報の転送を行うこと。