ト−マスピア−ソン 1 (ト−マスピアソとは)  バランス.サスペンション牽引のことで、ト−マス副子と、ピアソ  ンのアタッチメントを用いることにより、ト−マスピアソンと呼ん  でいる。 2 (目的)  @股関節.膝関節の自動.他動運動をある程度可能にして、両関節  の機能維持をはかる。  A大腿骨骨折部および術部の安静により疼痛の軽減および、骨片転  位の防止をはかる。 3 (方法)  @ベットにフレ−ムを取りつける。固定性の確認をおこなう。  Aト−マス副子を組み立てる。ト−マス副子は大.中.小のサイズ  があり、患者の大腿部の太さに合わせて選ぶ。(術後に使用するガ  −ゼ.包帯などの厚みを加味して、ゆとりのあるサイズのものを選  ぶ。  ピアソンのアタッチメントを、患者の膝関節の位置にあわせて、と  りつける。  B下肢の良肢位(股関節20度.屈曲.10度外転.内外遊中間位   .膝関節20度.屈曲位)が保持できるよう滑車を通したロ−プ   に重錘をかけ、バランスをとる。   関節運動を行なう場合は、ピアソンのアタッチメントの先端にロ   −プをつけ、滑車を追加して手元で自ら介助運動を操作できるよ   うにする。上肢でロ−プを引くことにより、関節の屈曲運動が可   能となる。 3 (施行時の注意点)  @循環障害.神経障害が短時間におこりやすいので十分な予防と観  察が必要である。特にひ骨小頭部の圧迫による、母指の背屈不能、  、足背のシビレ感、疼痛などの症状には注意する。  Aバランス.サスペンション牽引は、力の入り方や外力によって、  バランスがくずれやすい。知らぬ間に不良肢位になりやすいので、  常にバランスに注意して、長時間不良肢位にしておかないように心  がける。  B仙骨部などに辱創をつくりやすいので、円座.スポンジ等を当て  る。  C牽引部は、副子とともに、空間に浮いているため、保温に注意す  る。                         5−W