温熱療法 血液循環を促して組織の新陳代謝を盛んにし、筋肉の緊張を和らげ、 神経の鎮痛、鎮静をはかる目的で行われる。温熱を局所に与える方法 には、ふく射熱、伝導熱、転換熱の三種がある。これらの温熱療法は しばしば運動療法の前に行われ、訓練を楽にする効果を果たしている  #ふく射熱 赤外線、熱気浴など乾熱として与えられるが、表面的        な効果しか期待できない。  #伝導熱  温浴、パラフィン浴、ホットパックなど湿熱として与        えられ、やや深部まで熱が到達する。  #転換熱  超音波、極超短波(マイクロ波)など、電磁波のエネ        ルギ−が、組織内で熱エネルギ−に転換するもので、        最も深くまで熱を及ぼす事ができる。 <パラフィン浴>  融点42度前後の固形のパラフィンを溶かし、少量の鉱物油を加え  たもので、55度前後にあらかじめ溶かし、その中に目的とする部  分を5分おき程に何回かつけて、パラフィン膜を皮膚の外側に作る  利点は、局所加湿作用の強いこと、深部にまで及ぶこと、その方法  が特殊な水治療法設備のない所でも行なえることである。 <ホットパック>  既成のものを湿浴中に浸して適当な温度を与え、目的とする部分に  15から20分間当てる。施行時は、その温熱効果を利用して、あ  らかじめ同部分に消炎鎮痛薬(モビラ−ト軟膏)を塗布し、密封し  ておくことで鎮痛効果を高めている。ホットパックを当てた上は、  タオル等で覆い熱の放散を妨げる。手軽なので広く利用されている  <低周波>  体内に金属を入れている人には禁忌  所要時間  20から60分  人体組織に電流を流すと、知覚、運動両神経に作用し、前者は痛み  後者は筋の興奮を起こさせ筋がれん縮する。  @熱効果 熱源の種類に無関係で新陳代謝の促進、毛細血管圧の上       昇、細胞膜の浸透性の増大、血液のPH変化がおこる。  A化学的効果  皮下における化学的生産物は、外から吸収させる          より電気的方法の方が大きい。     5−W