歩行訓練(歩行器)  歩行運動は@骨盤の回旋A骨盤の傾斜B立脚相での膝の屈曲C足関 節と足部の運動D足部及び足関節と関連した膝関節の運動E骨盤の側 方移動の6つの相互作用によって決定される。 歩行訓練に移る前段階として、上下肢筋力訓練を行う。坐位、立位、 耐久力の訓練もこの歩行の為の準備といえる。 歩行訓練の方法の共通なものは、平行棒内での歩行訓練ののち、平行 棒からでて、歩行器・杖などによる歩行訓練に移ることである。  歩行障害の原因−筋力低下(末梢性麻痺、筋疾患)中枢性麻痺、下          肢長の差、関節可動域制限、関節痛、失調症など          の他、失行もある。  歩行訓練の目標−@安定性と安全性A耐久性(時間と距離)Bスピ          ード  歩行訓練の段階−平地歩行→段階や斜面の昇降→溝あるいは、しき          りなどの障害物越えなどの応用動作→戸外での実          用的訓練  種々の原因でどうしても、起立・歩行ができない場合、車椅子での 生活を考慮する。 <歩行器歩行>  回復期にある患者にとって、自分で歩きまわることは、大きな喜び である。その為に助けになるのが、歩行補助具である。  歩行補助具は、歩行器・松葉杖・杖の3群に大別され、歩行器は、 補助具を使っての一段階となる。  歩行器の基本的な形は、4脚支持のフレームで、軽金属性である。 患者はこのフレームを手で持ちあげ、前に動かし、その中に患側、健 側の順で足を運ぶ。フレームは、固定された単純なものと、折りたた みができ、高さの調節も可能なものがある。握りの高さは、肘関節屈 曲30度をとるようにする。  前の2脚に車輪をつけた前輪付歩行器は、軽く前に押すだけで、ス ムーズに移動することができるので、自分で歩行器を持ちあげられな い老人や、リウマチの患者に適している。  四輪付歩行器は、手の握りだけでなく、前腕全体で体を支えて移動 する方法で、肘の高さに調節して用いる。 <注意点> @転倒防止に努める。 A歩行の不安定な場合は、介助者は後方について、又、腰部に抑制帯 を巻き転倒予防に努める。                5−W