起立訓練  諸々の原因により立位歩行機能を失った患者に対し再び両足で安定 した状態で立位を保持する能力を再習得させることである。 <注意及び看護> @坐位保持訓練を行い、それが可能となったら起坐訓練、続いて立位  保持訓練へと、段階的に進めていき、起立性低血圧等の阻害因子を  除去しておくことが必要である。 A立位保持に必要な上下肢の筋力増強及び、関節可動域訓練を早くか  ら実施する。 B訓練に入ったら、固いマットレス、低いベットを準備し危険防止に  努める。 C起立性低血圧予防の為に、ティルトテーブルにて徐々に立位訓練を  行い、90°可能になったら平行棒内での起立訓練に移行する。ま  た長期臥床患者で起立性低血圧が予想される場合は、事前に弾力包  帯を腹部に巻いておく。また患者の顔色や血圧変動にも注意する。 D片麻痺では、健側の能力を十分発揮させる為、患肢下肢をやや前外  側方に出し、健側下肢を後方に引いて、腰を前方に浅く腰かけてお  いて、健側上肢を補助に身体を健側下肢の直上前方に傾けて持ち上  げるように起立する。 E長下肢装具をつけた対麻痺患者では、ベットに直角に歩行器を固定  する。ベット端に腰かけて上肢の力で歩行器をつかんで起立し、バ  ランスを取る。プッシュアップの弱い患者は、介助者が腰を支えて  起立を助ける。                             5−W