関節可動域訓練 (目的)  @非活動性によっておこる拘縮の防止、及び改善  A固有受容器を刺激することによる運動覚、位置覚の再教育  B関節を動かすことによる関節機能の正常化  C肢位の変化による血流の改善  D筋の短縮の防止、および改善  E日常生活動作能力の改善 (方法)  @体位変換  最低2から3時間毎に行なう。  A良肢位保持 拘縮をおこした場合も日常生活上の不便が比較的少         ない関節の角度を保つ。  B他動運動  C自動運動  D伸張運動  筋、筋膜、靭体、関節包などを強い他動的な力によ         り伸張し、拘縮除去をはかる手技 (施行時の原則.注意点)  @正常関節可動域範囲を知る。  A疾患および治療上の肢位により、おこりうる関節可動域制限の可   能性を予測する。  B患者の関節可動域を知る。  C関節可動域制限因子を明確にする。  D関節可動域での痛みのチエック  E可能な限り早期に訓練を開始し、拘縮予防につとめる。  F解剖学的に正しい方向に動かす。  G一日最低10回は全ての関節について動かす。  H患者に安楽な肢位をとらせ、筋緊張を低下させておき、運動は全   可動域にわたって行ない、疼痛の出現する場合には、この範囲を   わずかに越える所迄、行なう。(この際の疼痛は、数分以内に鎮   まる程度でなければならない。)  I治療上許されない方向には動かさない。  J運動中、支持または保持する場所に注意する。  K原則的に運動は近位の関節より始め、遠位でおわる。  Lその関節が安静固定を守るべき場所(関節炎、炎症症状、術直後   などの禁忌状態)でないよう注意する。        5−W