リハビリテ−ション  「権利・資格・名誉の回復」であって、全人間的・全人格的なもの である、障害者のリハビリテションとは、障害者が人間らしく生きる 権利の回復。すなわち、その「全人間的復権」である。 1.対象  @身体障害:肢体不自由、視覚障害、聴覚障害(音声、言語機能障        害を含む)、内部障害(呼吸器・循環器・腎機能)  A精神障害:精神薄弱、精神疾患 2.種類  @理学(運動)療法   特定の障害を対象とし、必要に応じ特定器具を用い機能回復を行   う。温熱療法(ポートパック等)、水中運動(ハーバード・プー   ル浴)、徒手・器具による自動・他動運動、電気療法がある。  A作業療法   日常生活、社会生活に用いる道具や器具を使い、必ずしも限局さ   れた部位を対象とせず、気分転換的な要素を持つ。ハンマー作業   鋸作業、ミシン作業、器具による日常生活動作訓練がある。  B言語療法   構音器官の再訓練により正しい構音運動の回復をめざし、対象の   能力、状態に合わせて刺激条件を操作し、フィードバック法を選   び、誤った反応を種々の方法で改善させていく。  C心理(精神)療法   心理的な手段によって患者に治療的な影響を与えようとする方法   で、手段としては治療者ー患者間のコミュニケションを示す。   精神分析療法、行動療法、催眠療法、自律訓練等がある。 3.観察、指導、援助  各種訓練中は日常生活の観察を通じて、疲労や全身状態の把握、困  難な動作はなにか、回復状況などを観察する。無意識に行っている  日常生活がその患者本来の姿である。訓練中との違いを整理・記録  し、十分な知識のもとに患者を指導していく。  障害の程度の差はあれ、家庭・社会・経済上の問題等で悩む人は多  い。甘やかしのない、いたわりを持って接し、人間関係を深め、悩  みを十分に引き出せるよう努める。また、退院後も種々の問題に対  応できるよう、地域保健婦やソーシャルワーカー等連携をとってい  く。                             5−W