抑制 目的:抑制とは、治療(検査、検体採取、処置)、看護上、患者の安 全・保護の目的で動作を抑えることである。 必要物品:抑制帯各種(ジャケット型、抑制管、マジックハンド、グ リップ型抑制帯)、包帯、砂のう、安全ピン、シーツ、バスタオル、 絆創膏など。 手順: a.体幹の抑制  @ジャケット型抑制法:患者の身体に合ったジャケットを着せ、ジ  ャケットをベッドに結ぶ。Aおくるみ法:乳児の一時的処置時(採  血、包帯交換、検査など)に用いる。身体全体をシーツ、バスタオ  ルなどでくるむ。 b.四肢の抑制  @抑制管による方法:肘、関節の抑制に用いる。乳幼児の顔面(口  蓋、口唇、口腔内、眼、鼻、耳)頭部の手術後の創の保護、皮膚疾  患時の皮膚の保護等にしばしば用いる。Aグリップ型抑制帯による  方法:膝関節の抑制に用いる。過度の圧迫を防ぐため、スポンジを  綿に布でおおい、キルティングしたベルト式で、幼児、学童に用い  る。Bマジックバンドによる方法:四肢の可動域を制限する。主に  乳児、幼児の輸液中、チューブ類挿入時等に用いる。Cシーネによ  る方法:関節の屈曲防止の目的で、手術、特殊検査の術後、持続点  滴静注時などに用いる。患者の四肢、関節の大きさに合ったシーネ  と絆創膏で患部、関節部を中心に肢にシーネをあて、絆創膏で固定  する。 c.頭部の抑制  固定、頭部の安静保持、可動制限などのため、砂のう、バスタオル  などで両側または片側の頭部を固定する。 観察点:抑制は必要時に、患者の状態、病状、部位によって最も苦痛 の少ない方法を選択する。抑制部位の皮膚面の損傷の有無(かぶれ、 あせも、湿疹、擦過傷)関節の過伸展、屈曲の状態の観察、チアノー ゼの有無、疼痛、バイタルサインのチェック等を行い、循環障害を防 止し、効果的に行われているかどうか定期的にチェックする。また、 抑制による精神抑圧、情緒不安を少なくするため、抑制は最小限にす る。                             6−E