絶食療法 〈目的〉  飢餓における代謝性ストレスに、心理的変化が加わった独特の治療  環境を利用し、内観や自己分析を併用することにより、自己の生活  行動や性格の歪みを認知させる。 〈方法〉  原則として10日間の完全絶食(全体として6〜8週の入院期間を  要する。) 〈適応〉  心身交互作用のもとに条件づけられた不安反応や、周囲の人々の誤  った対応(過度の気使い等)により、固定化した不適応行動等   過敏性腸症候群 ポリサージャリー(多手術症) 不安恐怖症   単純性肥満 過換気症候群 慢性疼痛 登校拒否等 〈施行中の注意点〉  @飲水は自由である。(1日TOOュヨネ上が望ましい)が、不可   能なら、若干量の補液を行い、高度の脱水を予防する。(水分出   納、体重測定)  A個室に隔離し、外界との刺激を避けて、自己と対決させる。(医   師は面接をする。看護婦は雑談はしないが、治療上必要な場合は   充分に対話する)  B絶食1週間を経過すると、空腹感を主とする心身の苦痛は緩和し   てくる。この時期より、本人の性格偏向や不健康行動への気付き   を深めさせ、認知の変容を促す。  C復食は少量の重湯から開始して、カロリーを漸増し、5日目には   常食の半分量とする。  D治療中は、病気や将来について、日記を書かせそれをテーマに面   接を行い、病気に対する誤った考え等に気付きが得られるように   する。  E復食期に入って、自然排便がなければ浣腸を行う。  F飢餓状態になる為、毎日尿ケトンのチェックを行う。                             8−W