ペーシング(一時的) <目的>  心拍数の病的な減少によって種々な血液循環不全の症状が出てきた  場合、心室筋に弱い人工的電機刺激を規則的に与えて収縮させ、心  拍数を生理的に保とうとする治療。体外にパルス発生器を置いて、  数時間〜数日間のペ−シングを行う。 <適応>  心停止のような緊急時  薬物中毒  下壁梗塞  開心術後などの低送血状態  永久的ペ−スメ−カ−を植え込む前 <方法>  静脈穿刺(鎖骨下、大腿、頚、尺側皮静脈など)により導入ワイヤ  −を挿入し、それを介して電極を挿入し、右室に向けて電極を進め  挿入が完了したら、パルス発生器と接続する。 <必要物品>  局麻、滅菌ガウン、滅菌手袋、縫合セット、導入ワイヤ−、電極、  パルス発生器、ECG連続モニタ− <施行中の注意点>  @連続モニタ−で監視(調律を調べる。心室性期外収縮がみられた   ら医師へ報告する。)  A挿入部位の出血、感染、腫脹、発赤、浸出液の徴候の観察。  Bバイタルサインと意識レベルのチェック。  C血栓徴候として、挿入部位より遠位の末梢性拍動を調べる。  D疼痛や不快感は、指示に従い鎮痛剤で軽減させる。  E肺と心臓を聴診し、ラ音、呼吸音の減弱、摩擦音に留意する。  F息切れ、動悸、吃逆があれば記録する。  G体位変換は他動的に、移動時は処置肢を挙上する。  H積極的に非処置肢の運動練習をさせる。処置肢は受動的な運動を   させる。  Iペ−スメ−カ−についての情報(パルス発生器の様式、植え込み   月日、導子の位置、ペ−シング拍数など)をベッドサイドに掲示   する。                            8−W