脳血管造影 1目的 脳血管撮影は、脳血管に造影剤を注入し、連続的に頭部X線     撮影を行うことにより、脳血管そのものの疾患や、病的血行     動態、異常血管を伴う病巣を直接的に診断する、あるいは正     常脳血管の偏位を生じる病巣、病態の間接的所見を診断する     ために行われる。 2方法 直接穿刺法とセルジンガ−法がある。 3穿刺部位と撮影される血管と適応者     (1)直接穿刺法では、左右上腕動脈、左右総頚動脈を穿刺        する。左上腕動脈穿刺法では椎骨動脈、右上腕動脈穿        刺法では椎骨動脈、右総頚動脈が撮影される。左右総        頚動脈穿刺法では、同側の総頚動脈が撮影される。こ        れらの方法は高齢者、幼小児、撮影血管の限られてい        る人に行われる。     (2)セルジンガ−法では、右左大腿動脈を穿刺する。一回        の穿刺で内頚、外頚、椎骨動脈が撮影される。撮影血        管がすべてに渡る時、又は選択的な血管撮影を行いた        い時に施行される。 4前処置<患者及び家族に充分な説明を行い不安を除き協力を得る>    (1)検査前は一食絶食とする。(2)穿刺部位の剃毛、清拭       を行う。頚動脈穿刺では頚部を、セルジンガ−法では両       ソケイ部の剃毛を行う。(3)ヨ−ド過敏テストを行う    (4)前投薬を行う。(5)排尿させ、メガネ、義歯、ヘアピ     ン、装身具をはずす。(6)前投薬前と搬入前にバイタルサ     インのチェックを行う。(7)術衣に更衣させストレッチャ     −で搬入する。 5検査後<バイタルサインのチェック及び一般状態の観察を行う。>    (1)上腕動脈穿刺の場合、検査側のとう骨動脈を触診し血腫     形成、出血の有無を観察する。血腫及び末梢循環障害、正中     神経損傷による前腕のしびれ等異常を認めたら医師に報告す     る。検査後3時間は絶対安静とし翌朝までベッド上安静とす     る。食事は帰室後3時間嘔気嘔吐、その他の異常がなければ     摂取する。(2)頚動脈穿刺の場合、検査後頚部血腫が形成     され気道閉塞をきたすことがあるので穿刺部位の圧迫、止血     を確かめる。圧迫固定は翌朝まで。枕はしない。他は(1)     と同じ。(3)セルジンガ−法は検査側の足背動脈の触知末     梢循環障害の観察を行う。24時間絶対安静圧迫固定。8E