注入(動脈) *経皮カテ−テル法の普及とともに、血管カテ−テル法は、治療面で も広く利用されている。 @止血目的の動脈注入  出血している支配動脈内に血管収縮剤や塞栓物質を注入して止血す る方法である。自家凝血塊・ゼラチンスポンジ・ステンレス・スチ− ルコイルなどが主として用いられる。また、術中に大量出血が予測さ れる場合に術前処置として行うこともある。 A悪性腫瘍への治療  選択的に患部の動脈内に抗腫瘍剤を注入する。シスプラチン・アド リアマイシン・マイトマイシン等が用いられる。 B腸間膜血栓症への適応  診断目的の血管造影に続き、カテ−テルを可及的に血栓近傍まで進 めた後に、血管拡張剤や血栓溶解剤を持続注入ポンプにて24時間以 上の動注を行う。この際、少なくとも12−24時間毎にfollo w upの血管造影が行われる。 C潰瘍性大腸炎に対しての治療  ステロイド剤の動注が行われる。 前処置 @前日 剃毛(両鼠径部)・排便調整・安定剤の投与(医師の指示に     よる) A当日 絶飲絶食・血管確保・バルンカテ−テル留置 術前の必要物品  T字帯・ガ−グルベ−ス・ちり紙・タオル等 動注後の観察点・注意点 @24時間の絶対安静−出血防止のため A穿刺部の観察−出血・疼痛・血腫形成の有無 B足背動脈の拍動の有無・下肢の冷感やしびれ感の有無 Cバイタルサインの観察 D使用剤による副作用の観察−おう気・おう吐・発熱その他 E使用剤により、尿量(時間尿)のチェック Fin・outのバランスチェック G持続動注の際は、心拍数・脈拍・CVPをモニタ−し観察する。 H持続動注のポンプの作動状態が正常であるか注意する。 I血栓溶解剤等を使用の際は、血清フィブリノ−ゲン・FDP・プロ  トロンビン時間・トロンビン時間・部分トロンボプラスチン時間を  経時的に観察する。                  7−E