麻薬 *法律的区分であって、必ずしも薬理学的な意味をもつものではない 治療上の立場よりいえば、麻薬には強い鎮痛や局所麻酔作用を有する すぐれた薬物も含まれる。しかしその反面、精神的及び身体的依存性 があり、耐性が速やかに形成されるため、乱用すれば慢性中毒をきた し、禁断症状をもたらし、精神を荒廃状態にして人類にきわめて重大 な危険を及ぼすものである。このような意味で、麻薬は国際的法律に よって厳しく規則されている。分類も別である。 1、麻薬の種類 @あへんアルカロイド系  Aコカインアルカロイド系 B合成麻薬性鎮痛薬  C大麻系  D幻覚系 2、取り締まり法律 @あへん法  A麻薬取締法  B大麻取締法 3、取り扱い方法  麻薬処方せんにより処方し、麻薬施用者の免許番号が必要となる。 使用量はmlで記載し、使用後は使用量残量を明記し、残量とアンプ ルのカット部上下ともにそえて返品する。 4、麻薬の事故届  不要となった使用残りの麻薬は、勝手に廃棄することは禁止されて いる。廃棄する際には、麻薬の品名・数量・廃棄方法について厚生大 臣の許可が必要となる。不要に行った場合、事故届を提出しなければ ならない。 5、副作用  悪心・おう吐・便秘・尿閉・呼吸抑制等がある。そのほかに、皮疹 体位性低血圧ときに恐怖感・昏睡・精神錯乱を呈することがある。 6、薬効 @他の薬物で抑えられない鎮痛薬として不可欠である。 A鎮咳・呼吸抑制薬として強力である。 Bある種の呼吸困難に有効である。(急性肺水腫など) C腸管運動抑制目的に使われる。 D鎮静・催眠の目的にも使用しうるが、特殊な場合以外用いない。 7、看護のポイント @呼吸抑制・便秘・尿閉などの副作用があり、十分な観察を要する。 A依存性が強く、十分な観察が必要である。 B連用中の急激な減量・中止で禁断症状が現れる。投与中の観察が必 用である。                       7−E