破水  なんらかの原因で卵膜が破れて羊水が漏出する現象を破水と呼ぶ。 破水は通常、分娩時にて子宮が全開大後胎胞が破れて起こることが多 く、これを適時破水と呼ぶ。これに対し分娩開始前に破水が起こるこ とを前期破水、陣痛開始はするが子宮口全開大前に起こるのを早期破 水、さらに卵膜が強靭で子宮口が全開大後も破水の著しく遅れること を遅滞破水と区別している。 1.看護のポイント (1)胎児成熟度の有無により対処する (2)感染防止 (3)破水に伴う臍帯脱出の有無の確認と予防 (4)胎児監視(モニタ−) 2.観察のポイント (1)羊水の性状、量、臭気およびこれらの変化 (2)早産開始徴候の有無、および分娩開始徴候の有無 (3)胎児心音の状態 3.具体的なケア (1)胎児成熟時   @誘発分娩の準備(破水後24時間以上陣痛開始がないとき)   A感染予防    ・清潔な当て綿をあてる。外陰部の清潔保持につとめる。    ・バイタルサインは定期的に測定しとくに発熱に注意する。    ・医師の指示による抗生剤の投与。    ・内診時清潔操作を励行。不必要な内診は避ける。   B胎児監視を行なう(胎児監視モニタ−)    。臍帯脱出の有無の判断、胎児心拍数の増加   C破水後長時間経過しても陣痛がないとき、また母体に発熱があ    るとき、必要により帝王切開術の準備を行なう。 (2)胎児未成熟時   @臍帯脱出予防のため骨盤高位、ベッド上安静とする。   A陣痛発来予防のため子宮収縮抑制剤投与(血圧の変動に注意)   B感染予防。   C胎児管理。   D長期臥床に対する精神的援助。   E必要時、羊水採取により成熟度判定を行なうため、その介助。   F分娩開始時未熟児出生の受け入れ態勢をはかる。                            6−W