陣痛 陣痛 本来は分娩時の反復する子宮収縮をいうが、広くは妊娠中の子   宮収縮を含めて表現される。 (陣痛の種類)   @妊娠陣痛 妊娠中におこる不規則な子宮収縮をいう。初期には        稀発するが末期に近づくにつれて頻発する。分娩開始        前の数時間または数日間におこる陣痛を前駆陣痛とい        う。   A分娩陣痛 分娩時におこる陣痛であり、臨床的分娩開始時期の        決定は、規則正しく発来する陣痛が10分間に1回ま        たは1時間に6回の頻度になった時点をいう。   B後陣痛  分娩終了後におこる陣痛で、産褥初期の数日におこ        るものをいう。 (性状)   陣痛は持続的な筋肉の収縮ではなく、反復性と周期性とがあって  収縮と休止とを交互にくりかえす。その収縮期を陣痛発作、休止期  を陣痛間歇という。子宮収縮は不随意におこるのであるが、その強  さは精神感動、膀胱・直腸の充満などによって影響される。また機  械的刺激・薬物的刺激によって増強または誘発される。 (陣痛の自覚症状)  陣痛の発作時には多くの産婦が痛みを訴え、この痛みは間歇時には 消失する。陣痛の強さと痛みはだいたい並行し、陣痛が強くなると痛 みも強くなることが多いが、痛みには個人差が大きく、まったく痛み を訴えない場合もある。痛みを訴える部位は、下腹部および腰部が多 い。陣痛によって子宮筋自体から発生する痛み、子宮下部および頚管 が開大されるためにおこる痛み、また娩出期には、さらに骨盤底や会 陰が強く伸展・圧迫される痛みなど、これらすべてを含めて産痛とい う。 (観察のポイント)  @陣痛発作の持続時間、およびその強さ。  A陣痛の発作と間歇との時間的関係。  B陣痛発作時の児心音の状態。  C陣痛発作時の産婦の訴え、症状、分泌物、その他全身状態。                          6−W