眼球運動異常  眼球運動は眼筋により行われ、脳神経により支配されているので、 どの方向が障害されているかにより神経障害の部位を知ることができ る。  @共同偏視:両眼が一方向をにらむような位置に偏位しているもの       で、眼球運動を支配する系路が、大脳皮質から脳幹の核       に至るまでの間で障害されている。被殻出血が代表的で       ふつう病巣側をにらむ。  A下方共同偏視:両眼が下方ないし内下方を向いているもので、視       床、視床下部領域の障害で起こる。  B斜偏視:一方の眼は内下方、他方の眼は外上方を向いているもの       で、内下方を向いた眼の側の橋腕の障害で起こる。  C周期性垂直性眼球運動:周期性に眼球が上下に同時に動く運動で       1分間に7〜8回から12回ぐらい動くことが多い。こ       れは橋出血(小脳出血)の症状である。                            9−E