頭蓋内圧亢進 硬い頭蓋骨で囲まれている頭蓋内腔は脳組織、髄液、血液が一定の割 合で存在することによって一定の容積を維持し頭蓋内圧を形成する容 積比率に異常を起こすような変化、たとえば腫瘍が増大すると平衡関 係は失われ、頭蓋内圧亢進が発生すると考えられている。 (要因)1、脳浮腫 2、脳血液量の増加 3、脳脊髄液の貯留     4、頭蓋内占拠性病変 (症状)1、頭痛 早朝に出現することが多い。     2、嘔吐 噴出性嘔吐が特徴である。     3、うっ血乳頭(視力障害)     4、外転神経麻痺 (治療)1、外科的治療     ・外減圧術 ・内減圧術 ・占拠性原因(腫瘍など)除去術     ・髄液誘導術(脳室腹腔短絡術、脳室ドレナ−ジ術)     2、補助的治療     薬物療法が主体である。 (看護のポイント)     1、観察      ・バイタルサイン       血圧上昇、脈圧の増大、圧脈、徐脈に注意する。(クッ       シング現象)      ・意識レベルの推移に気をつける。      ・神経学的徴候(瞳孔不同、対光反射、麻痺の出現などに               注意する)      ・頭痛・嘔吐の有無     2、頭蓋内圧亢進助長因子の除去      ・呼吸管理 血中酸素分圧・二酸化炭素分圧を正常域に            保つ。      ・体位 ベッドアップ20〜30度とする。      ・排泄のコントロ−ル     3、頭蓋内圧亢進の治療への援助      ステロイド使用、脳圧降下剤使用による副作用に注意する     4、全身状態の管理      合併症の防止、栄養、清潔の保持     5、苦痛の緩和                             9ーE