痙攣  筋肉の急激な不随意の収縮状態をいい、脳の神経細胞から骨格筋に 至る運動神経経路の異常興奮によって起こるもの。 〈要因〉底酸素症、底二酸化炭素血症、底血糖、電解質異常、高体温     薬物、脳組織損傷、刺激、ストレス、疲労等。 〈分類〉@強直性痙攣:筋肉の収縮が長く続き、こわばった状態にな      る。体幹、四肢は強い屈曲、または伸展したまま動かない     A間代性痙攣:筋肉が収縮と弛緩とを規則的に交互に反復す      る。四肢は伸展と屈曲を交互に繰り返す。     B強直性間代性痙攣:上記@Aが合併した痙攣。   ・性質上@ABに分類され、発作の型は、これらが全身的に起こ    るものを全身性痙攣、限局的に起こるものを局所性痙攣という   ・痙攣重積状態:痙攣発作が短い間隔で連続して起こったり、発    作そのものが異常に長く続く状態。   ・随伴症状:頭痛、意識障害、発熱、運動障害、全身・局所の筋    肉痛、失禁、発汗、倦怠感。 <治療>薬物療法、心身の安静療法、生活指導 <看護のポイント>  T発作時の看護   @観察 ・前兆の有無・痙攣の形・初発部位およびその進展状況    ・持続時間、頻度・眼球(上方、共同偏視)頚部の向き・意識    障害の有無、持続時間・瞳孔の大きさ、左右差、対光反射・バ    イタルサインの変化・咬舌、チアノーゼの有無・便尿失禁の有    無・発作後の脱力、運動麻痺、知覚障害、言語障害の有無   A危険防止 ・咬舌の防止:ガーゼを丸めたものを使用・ベッド    転落の防止:ベッド柵をする・外傷の予防:環境整備   B気道確保 ・衣服をゆるめ緊迫の除去・誤燕防止:必要時エア    ウェイ、酸素吸入  U痙攣発作の予防(生活指導も含む)   @抗痙攣剤の確実な投与と副作用の観察     注射・内服ともに指示された投与時間、量を正確に行う   A痙攣の誘発防止     外界の刺激を避け静かな環境をつくる。その他誘因の除去。   B患者及び家族への援助     痙攣は治療により十分予防できることを説明し不安の軽減を     はかる。指示された量を正確な時間に規則的に服用すること     発作時の緊急処置、危険防止等の説明を十分に行う。9−E