対光反射  対光反射は、瞳孔反射のひとつで、視野の外から瞳孔に光を敏速に いれたとき、反射的に瞳孔が縮瞳し、光が弱まるか消失すると瞳孔が 散瞳する反応をいう。  視索を形成した線維のうち、対光反射に関与する線維は、外側膝状 体には入らず、視蓋前域にある両側のエデーンガ−・ウェストファル 核に達する。ここから出る刺激は動眼神経核に伝えられ、動眼神経の 一部となって瞳孔括約筋に達し瞳孔を縮小させる。対光反射は光をあ てた側だけでなく反対側にも起こる。したがって両側の対光反射を調 べれば障害の部位をある程度まで推定することができる。  動眼神経障害及び中脳・橋部障害により対光反射は消失する。対光 反射が消失し、輻輳反射が健在であればこれをア−ガイル・ロバ−ト ソン徴候といい、進行麻痺、脊髄ろう、脳梅毒などの中枢神経系梅毒 に特有の症状であり、脳炎 脳腫瘍 糖尿病 慢性アルコ−ル中毒で みられることもある。  対光反射は消失または微弱だが、輻輳反応はきわめて徐々に起こり 正常以上の縮瞳を示し、一般に正常より大きい瞳孔を示す。若い女性 の片眼に多い瞳孔の変化をアデイ−症候群という。                            9−E