縮瞳  正常の瞳孔径は、2.5〜4.0oであるが、瞳孔が2o以下に縮 んでいる状態をいう。  瞳孔は動眼神経の副交感神経に支配される瞳孔括約筋および交感神 経線維により支配される瞳孔散大筋の両者によって調節される。した がって、交感神経部分の麻痺または副交感神経部分の刺激によって縮 瞳がおこる。  また網膜に対する光刺激(対光反射)や眼球の調節、輻輳運動によ っても縮瞳がおこる(輻輳調節反射)  その他、眼球付近に加えられる疼痛刺激、強い閉眼、睡眠時、眼球 上転などでも縮瞳がおこる。  また、ピロカルピン、アセナルコリン、ムスカリンなどの薬剤は節 後性コリン性神経を刺激し、縮瞳をおこさせる。  臨床的には、種々の原因によるホルネル徴候(眼瞼下垂、縮瞳、眼 球陥凹)、重症筋無力症におけるコリン作動性クリーゼで観察され、 中脳、橋障害時はpin−point瞳孔といい両側の著しい縮瞳を 示す。                           9−E