瞳孔散大  正常の瞳孔径は2.5〜4oで、ほぼ左右同大であるが、瞳孔が5 o以上に開いている状態を散瞳という。瞳孔の大きさは、主としてこ う彩内にある瞳孔括約筋と瞳孔散大筋との働きに関係しており、散瞳 の原因は主に次の2つの場合におこる。  瞳孔括約筋の麻痺、これは動眼神経麻痺、アトロピン等の点眼、外 傷、緑内障によっておこる。  瞳孔散大筋の痙攣、これは塩酸フェニレフリンの点眼、エピレナリ ンの球結膜下注射、精神上または知覚上の刺激中毒等によっておこる  尚、動眼神経麻痺の場合、一側の散瞳は、テント切痕ヘルニアの徴 候、脳内出血、血腫増大、脳浮腫の増大を考える。両側の散瞳は脳幹 障害が疑われ、意識障害の程度が進行し、重篤な状態となる。9−E