不随意運動  意志によらず、不随意に繰り返し筋収縮が起こって生じる運動であ り、目的を持たず、比較的規則的なものから不規則なものまで種々で ある。 [要因]運動に際して姿勢や躯幹の平衡をつかさどる大脳基底核(線 条体、淡蒼球、視床下核、黒質などからなる)が破壊されるとおこる [誘因]酸素欠乏症、核黄疸、出産時の障害あるいは先天性疾患でみ られる。 [種類]@舞踏病様運動→歩行時、ダンスをしているようにみえる。 統一のとれた運動とはならなず、また精神的緊張で増強する。 Aアテトーゼ→手足舌のねじれるような運動、関節でバラバラに屈伸 するような不規則な運動 Bジストニー→運動が躯幹や四肢近位筋にみられ、ねじ曲げるような 運動が長く続く。 Cバリスムス→四肢のつけ根から投げ出すような、大きく激しい常同 的な運動の繰り返し。 D振戦→振戦の項目を参照。 Eその他 T)ミオクローヌス→筋あるいは筋群の一部が不随意に急激に力強く 動き、すぐにまたもとの状態にもどる。 U)痙性斜頚→通常一側に強く起こり、頭部が回ったり傾いたりする V)チック→顔面・頚部・躯幹のすばやい瞬間的な筋収縮で、精神的 要因が関与する。 [治療]@リハビリテーション A薬物療法 B外科的療法 [看護のポイント] @ADL自力・拡大への援助 ・自助具、補助具の活用(1.スチールバンドを手首、足首につけA DLをしやすくする。 2.食器にすべりどめをつける。) ・衣服、生活動作の工夫、生活しやすい環境づくり→危険防止 (1.マジックテープを使用した服 2.前あきの下着) A栄養管理 ・体力の消耗を防ぐ→高カロリー高蛋白食にする。 ・食事を考慮する(1.きざみ食 2.おにぎり食 3.めん類をさ ける)→形態は咀嚼、嚥下しやすいものとする。