鼓腸  腸管内に大量のガスが貯留し、腹部が膨隆した状態をいう。 [要因]腸内ガスの生成処理の過程に異常を生じ、ガス生成の増加、 腸壁からの吸収障害、放庇の停止または減少などきたすとおこる。門 脈高圧症・動脈硬化症・うっ血性心不全・腸管イレウスなど [症状]腸内にガスが充満した状態で、腹部の打診により鼓音を呈す る。 [治療]原因疾患の治療が最も大切であるが、これと併行して対症療 法が行われる。 ・消化不良によるものには食事を制限する。 ・消化剤・吸着剤などを投与する。 ・腸蠕動の低下しているものには、プロスチグミンの内服・注射・メ  ントール湿布を行う。 ・腸管に狭窄のある場合には、ミラーアボット管を挿入する。 [看護のポイント] ・排ガスの促進、誘導   人工排気、浣腸、温湿布、腹部マッサージなど ・安楽な体位調整   セミファーラー位や膝まくらの利用 ・食事の工夫   発酵しやすい食品(イモ類・マメ類・牛乳・乳製品など)や繊維  の多いものはひかえる。                             5ーE