心タンポナーデ  心膜腔内に急激に血液や浸出液などの液体が貯留すると、心膜は、 伸展性に乏しい為に内圧が亢進し、静脈還流が障害されるとともに、 心室の拡張も妨げられて、心拍出量は低下し、高度の心機能障害をき たす。この状態を心タンポナーデという。 〈原因〉  心臓外傷・心臓手術後の合併症・心筋梗塞・悪性腫瘍による心臓へ  の浸潤 〈症状〉  頻脈・血圧低下・脈圧の縮小・中心静脈圧の上昇・奇脈・呼吸困難  チアノーゼ・尿量減少・四肢冷感 〈治療〉  1心臓外傷・心臓手術後の合併症の場合手術的な原因除去が必要  2浸出液貯留の場合   @心膜腔穿刺   A開胸して心膜の一部を切除し、その浸出液を胸腔に排液する 〈看護のポイント〉  @バイタルサインのチェックに努め、兆候を見落とさないように   充分な観察を行う。  A術後の場合は、ドレーン部からの排液がスムーズに行えるように   する。閉塞、抜去、接続部の緩み、挿入部の清潔に注意し、ミル   キングを頻回に行う。               8ーW