浮腫  細胞外や脈管外(組織間隙や 膜 )に多量の水が貯留した状態。 眼瞼部の腫脹、下腿脛骨稜部の指圧による圧 により発見されること が多い。水分貯留の著しいときには胸水、腹水等を呈し、軽度の潜在 性浮腫は、体重の増加により知ることができる。全身的に水分を貯留 させるように働く因子(全身性因子)と体液の血管内から外への移行 を促す因子(局所性因子)と相互に働きを発生する場合がある。 要因@全身性因子:糸球体尿細管バランス          内分泌性因子          神経性因子   A局所性因子:毛細管内圧の上昇          血 膠質浸透圧の低下          毛細血管透過性の昂進          組織圧の低下あるいはリンパ流障害 疾患:うっ血性心不全、ネフロ−ゼ症候群、腎不全、肝疾患、ステロ    イドによる浮腫、粘液水腫、栄養失調性浮腫など 治療@食事療法:減塩、低カロリ−、低脂肪でビタミンが豊富な食事   A薬物療法:利尿剤、副腎皮質ステロイド等   B血液透析・腹膜透析   C浮腫のある部位を挙上する。 看護のポイント  @浮腫の部位、程度を観察する。  A圧迫による褥創を予防するため同一体位を避ける。  B末梢循環不全により、末梢皮膚温は低く、知覚も低下しやすいの   で熱傷に注意する。  C絆創膏等を使用する際は、皮膚の状態を観察し、剥離しないよう   注意する。  D筋肉注射は避ける。  E水分出納のチェック(摂取水分、補液量、尿量、不感蒸泄量)  F定期的に体重、腹囲を測定する。  G利尿剤内服中は、皮膚の状態、体重の増減等を観察し、脱水の予   防に努める。