クスマウル呼吸  異常呼吸のうちリズムの異常に分類される。この呼吸は糖尿病など による代謝性のケトアシド−シスにおいて出現し、呼吸は不整ではな いが、発作性におそく、大きく深いゆっくりした呼吸が続く型をいい 吸気の方が、呼気より長いのが一般的とされている。 〔 要因 〕  アシド−シスに際して出現する。アシド−シスでは一般的に血中の 水素イオンが増加し、頚動脈体と大動脈体の化学受容体が刺激され、 呼吸の促迫がおこる。これにより、肺から炭酸ガスを排出して、血液 のPHを酸性側から正常値の方へ是正しようとする反応がおこる。 〔 症状 〕  明らかなクスマウル型をとるものは、@糖尿病性の高度ケトアシド −シスと、A尿毒症の時であり、糖尿病性のケトアシド−シスでは、 呼気にアセトン臭があり眼球が軟かくなるのが特徴である。 〔 治療 〕  糖尿病性ケトアシド−シスではインシュリン使用が第一選択で補液 によりだいたいはコントロ−ルされる。尿毒症がこの型で発見される ことは少ないが、この状態では人工透析が適応となる。                             ↓ 〔 看護のポイント 〕  リズム性の異常呼吸の中でも治療により軽快する可能性の認められ ている呼吸である。糖尿病および尿毒症患者におけるコントロ−ル中 に生じた場合は、疾患の悪化を示唆するものであり、看護上たいせつ である。したがって、こうした慢性疾患における経過のなかの一病態 として十分理解し、患者のケアにあたることが必要である。                           4−E