┌──────────────┐ │ I.高齢者自身による選択 │ └──────────────┘ 1.基本的な考え方 ・ 高齢者が自らの意思に基づいて、利用するサービスを選択し、決定することが 基本。このため、介護サービスの提供は、高齢者とサービス提供機関の間の契約 方式によることを原則とすべき。 ただし、介護放棄や虐待など高齢者の自己決定が馴染まないケースには、契約 方式を補完するものとして、行政機関が緊急的に保護する仕組が必要。 2.介護サービスに求められること ・ 高齢者の選択の実効性を確保する観点から、次の点が求められる。 (1)サービスの普遍性=所得の多寡や家族形態に関わりなく、サービスを必要と する全ての高齢者が利用できること。 (2)サービスの公平性=サービスを受ける場所(施設)や内容によって利用者負 担等に不合理な格差がないこと。 (3)サービスの妥当性=サービスの内容や質が社会的に妥当であり、かつ、それ が適切に評価されること。 (4)サービスの専門性=利用者側へ適切かつ分かりやすい情報が提供されるとと も に、専門家が利用者を支援する体制が整備されている こと 3.在宅ケアの推進 (1)在宅サービスの整備 ・ 多くの高齢者は、できる限り住み慣れた家庭や地域で生活を送ることを願っ ており、高齢者が無理なく在宅ケアを選択できるようにすることが重要。ただ し、家族介護に過度に依存し、家族が過重な負担を負うようなことがあっては ならない。 ・ したがって、在宅サービスを大幅に拡充し、次のような方向を目指すことが 重要。 1. 高齢者が必要なサービスを、必要な日に、必要な時間帯に受けられる体制。 2. 一人暮らしや高齢者のみの世帯も、可能な限り在宅生活が続けられるよう に支援 3. 重度の障害を持つ高齢者や一人暮らしの要介護高齢者は、24時間対応を基 本 (2)家族介護に対する評価 ・ 家族による介護に対しては、外部サービス利用との公平性等を考慮し、現金支 給を検討すべき。ただし、適切な介護の確保という問題や家族介護の固定化の懸 念もあるため、慎重な検討が必要。例えば、家族への介護研修や専門家によるバッ クアップ、必要に応じ外部サービスへの切り換えが可能であることを現金支給の 条件とすべき。