新たな高齢者介護システムの構築を目指して(ポイント) 〈高齢者介護・自立支援システム研究会報告〉 ┏━━━━━━━━━《新介護システムの基本的な考え方》━━━━━━━━━━┓ ┃ ┃ ┃ 1.「高齢者の自立支援」を基本理念に既存制度を再編成し、新介護システ ┃ ┃ ムを創設。 ┃ ┃ 2.新介護システムの主なポイントは、1.高齢者自身による選択、2.介護サ ┃ ┃ ービスの一元化、3.ケアマネジメントの確立、4.社会保険方式の導入の ┃ ┃ 4点。 ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 1.高齢者介護の基本理念 ・ 長寿比に伴い、高齢者介護は「最期を看取る介護」から、高齢者の「生活を支 える介護」へと変化。こうした状況を踏まえ、今後の高齢者介護は、「高齢者が 自らの意思に基づき、自立した質の高い生活を送ることができるように支援する こと(高齢者の自立支援)」を基本理念とすべき。 2.既存制度の再編成 ・ 高齢者介護については、これまで福祉、医療などの制度が個別に対応してきた が、様々な問題点が生じている。このため、介護に関連する制度を再編成し、 「新介護システム」を創設することが適当。 《現行制度における問題点》 1.福祉(措置)〜利用者がサービスを選択出来ない。利用にあたって心理的な抵 抗感。 2.医療〜介護の相当部分をカバーしているが、ケアのあり方や生活面の配慮で限 界。 3.年金〜年金が介護への不安から貯蓄に回り、有効に活用されていないという指 摘。 4.制度間の不整合〜同じ様な高齢者が、特養、老健施設、病院といった機能や利 用者負担が異なる施設に入所。また、各サービスが縦割で、相互の連携が十分 でない。 3.新介護システムの基本的な考え方 (1) 予防とリハビリテーションの重視 ・ 高齢者の自立支援のためには、まず予防を重視し、寝たきり防止に努めるこ とが重要。また、介護が必要となった時に、適切なリハビリテーションを提供 する体制整備が必要。 (2) 主なポイント ・ 新介護システムの主なポイントは、1.高齢者自身による選択、2.介護サービ スの一元化、3.ケアマネジメントの確立、4.社会保険方式の導入の4点。 こうした考え方は、ドイツの公的介護保険創設などの欧米諸国の動向と同一 方向。新介護システムの創設によって、我が国社会保障制度全体の機能強化と 効率化が推進。