情報化をめぐっては,そのいわゆる「光と影」の両面の要素を踏まえつつ,積極的 な可能性を最大限に引き出し,望ましくない影響をもたらさないよう常に留意するこ とが重要である。 特に教育においては,情報化の進展に伴い,人間本来の感情や情操を豊かに育てる ことへの配慮が,学校,家庭,地域を通じて改めて重要になり,人間形成の基礎とし て不可欠な豊富な直接体験・生活体験,自然とのふれあいや人間同士のふれあいの充 実,児童生徒のゆとりの確保等に格段に意を用いる必要がある。 情報処理・活用能力の育成や教育におけるマルチメディア等の機器の活用は,これ らと対立的,分離的に捉えるべきではなく,これらと相補的,融合的に行われていく ことが重要である。このため,過度のメディア依存,機器依存等を防ぎ,主体的な判 断力,課題発見・解決能力の育成や体験学習の効果を高めるための情報機器等の活用 を通じ,理性と感性の調和のとれた情報処理・活用能力を育成するための指導方法の 確立を図ることが求められる。なお,その際,実際にマルチメディアなど様々なメデ ィアや情報機器を使う経験を通して,その可能性と限界について十分な理解を身につ けさせる指導の確立が求められる。 また,機器の使用や,情報媒体を通して処理された間接情報との接触の度合いが, 情操の発達に与える影響や,感覚系器官をはじめとする身体的な影響について,常に 留意が必要である。 さらに,大量の情報の交流が進み,すべての人々が大量の情報に接していくという 新たな環境が考えられる中で,情報の内容や質を適切に評価,選択し,正しい判断に 資する能力を養う必要があるとともに,情報を適切に取り扱うための倫理や責任感が 培われる必要があり,情報犯罪,情報災害などについて正しい認識を身につけさせる 指導,個人情報の保護や著作権の尊重等の態度を養う指導等を行うことが重要である。