高度情報化の進展する中での人間生活に必要な知識・技術として,すべての人々が 基礎的な情報処理・活用能力を身につけることが求められる。特に,高度情報通信社 会においては,特定の情報処理・活用の専門家以外の一般の人々が,これまで以上に 多くの情報に関わって生きていくことになると考えられる。また,個性的で優れた専 門的な人材を輩出できる社会基盤の形成という観点からみても,高度情報通信社会に 対応した情報処理・活用能力の育成の重要性はますます高まるであろう。 これらを踏まえ,情報の処理や活用に関する知識・技術を学んで主体的に情報媒体・ 機器を活用できるための能力を身につける機会の充実が求められる。このため,人々 が興味・関心や必要に応じて,生涯にわたるあらゆる時期や場において,情報処理・ 活用能力を身につける多様な学習機会を得ることができるための条件整備を図ってい く必要がある。 その際,初等中等教育においては,将来の高度情報通信社会に生きる児童生徒に必 要な能力を養うための教育を行うことが要請されている。そのため,発達段階に応じ た指導や情報機器の利用の在り方を十分に検討しつつ,教育活動全体の中で,マルチ メディア等の情報媒体・機器の適切な活用の体験等を通じ,情報処理・活用能力の育 成に努めていく必要がある。 高等教育においては,関連の専門的分野における教育の充実だけでなく,人文・社 会・自然科学にわたる様々な分野の教育の中で,情報処理・活用能力を高めていく, いわゆる一般情報処理教育の充実に努める必要がある。その際,初等中等教育との連 携についても配慮する必要がある。 社会教育においては,情報教育を受けた経験や職業生活における情報環境などを異 にする多様な人々が対象となっていることから,人々の学習ニーズや地域の実情等を 踏まえつつ,情報の処理・活用に関し,継続的に学習できる機会を提供していくこと が望まれる。 なお,情報に関するめまぐるしい技術革新の中で,今日,マルチメディアなどコン ピュータについて,関連する学習や機器との接触の経験・機会など様々な条件の相違 があると考えられる。高度情報通信社会においては,こうした経験・機会に豊富に恵 まれる場合とそうでない場合との間の情報処理・活用能力の格差が開きやすく,それ が日常の生活にも影響を与える可能性などが指摘されている。これらを踏まえ,特に, 情報教育の経験のない人々などが興味・関心や必要に応じて情報処理・活用能力を身 につけていこうとする場合に取り組みやすく,親しみやすい情報機器,学習プログラ ム,学習機会等の充実が求められる。 これら全体を通じ,マルチメディアに関連する教育において,コンピュータや映像・ 音声情報等に関する知識・技術,それらを応用する新たな形態での情報処理・活用能 力が培われることが期待される。なお,今後のコンピュータ活用は単体型から通信型 へと広がっていくと考えられること等,将来の見通しを踏まえた学習機会の提供も必 要である。