マルチメディアは,これまで培われてきた技術や情報システムに対する思想等の蓄 積・融合をもとに,半導体技術,通信技術,ソフトウェア技術の進歩を推進力として, コンピュータと高度情報通信ネットワークの結合を中心に発展していくと考えられ, 従来のコンピュータのような膨大な電子計算や業務処理等の道具から,情報の受発信・ 共有,思考,表現,判断の道具として発展していくことが考えられる。 その発展の段階としては,種々の研究,実験等を通じた機器やアプリケーション( 使い道)の開発・改良の段階,利便性・経済性等の向上による普及とそれに伴う多様 化の段階,さらには,現在の電話や公共放送のように,マルチメディアが広く社会に 定着し,ユニバーサル・サービスとして,時間や場所等の制約を超えて人々に手軽に 利用される段階など,幾つかの段階が考えられる。 また,現時点では,単体としてのマルチメディア型パソコンが普及しつつあり,そ の一層の高性能化,ネットワーク化が目指されている。 一方,マルチメディアの発展には,種々の技術革新,関連諸制度の整備,行財政上 の支援など,現時点においては不確定な様々な要因が関わっており,教育・学術・文 化・スポーツや,医療・福祉,行政,さらには産業,娯楽等の各分野におけるコンテ ンツ(情報内容)やアプリケーションが,今後,どのような発展を遂げ,影響をもた らすか等についての見通しも様々であるが,高度情報通信社会の進展の中で,マルチ メディアが大きく発展していくであろうことは,今日,多くの方面から予想されてい る。