マルチメディアの持つ特性が社会的利用に適切に生かされていくためには,ハード ウェア,ソフトウェアにわたる幅広い基盤整備が必要である。このため,公共部門の みならず,民間部門においても種々の取組が行われている。このような状況の中で, 関係行政機関において,様々な施策が進められつつあるが,これらの間の適切な分担 と密接な連携の下に,政府全体として積極的な取組を展開していくことが求められて いる。 これと関連して,平成6年8月に,内閣総理大臣を本部長とし,全閣僚から構成さ れる高度情報通信社会推進本部が設置され,今後に向けた政府全体としての取組の基 本方針に関する検討がなされているところである。なお,平成6年5月,郵政省の電 気通信審議会は,西暦2000年までに,学校,図書館,公民館,病院等の公的施設 への高度情報通信ネットワークの整備,西暦2010年までに,高度情報通信ネット ワークの全国整備の実現等を施策目標として打ち出しており,また,通商産業省にお いて取りまとめられた高度情報化プログラムにおいても,教育,研究,図書館,医療, 行政等の公的分野での情報化の重要性が強調されている。 また,海外においては,例えば,米国がNII(全米情報基盤)構想の下に,学校, 図書館,病院等の間の高度情報通信ネットワーク整備の重視を打ち出しており,さら に欧州諸国やアジア諸国にも同様の方向の動きが見られるとともに,最近は,GII (世界情報基盤)構想の下に,国際間の連携・協力が進められるなど,現在,高度情 報通信社会に向けた取組は,国際的な規模で見られる。このような関連の国際的な動 きにも留意しつつ,行政としての取組を進める必要がある。 これらの取組を進めるに当たっては,情報通信基盤を整備するという観点だけでは なく,利用者の立場に立った取組が必要である。とりわけ文教行政においては,教育・ 学術・文化・スポーツの各分野の在り方を踏まえ,その普及・発展をいかに図ってい くかという視点に立って,また,高度情報通信社会の発展を支える人材の育成や新し い知見の獲得・普及,情報の蓄積・体系化・交流等を促進する立場に立って,情報化 関連の施策を総合的に展開し,その役割を一層果たしていくことが求められる。