関連制度の点検について (資料1)  指摘されている事項  (1)遠隔医療が可能となるよう医師法第20条の規定を見直すべき。  指摘事項に関連する法令等  ・医師法第20条   「医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付   し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら   検案をしないで検案書を交付してはならない。・・・」  厚生省の考え方及び今後の取り組み方針  (医師法第20条について)  ・医師法第20条の規定の趣旨は、患者にとって適切な医療を提供するため、問診   視診、触診、各種検査(血液検査、エックス線検査等)などの各種診察行為を現   代の医療水準から見て適切に組み合わせ、総合的に実施した上で、診断・治療を   行わなければならないとするものであり、必ずしも対面による診療を求めている   ものではない。  ・現時点での情報通信の技術や基盤整備の状況では、初診時や症状の変化がある場   合などについては、対面により診断・治療を行う必要があるが、既に診断・治療   を行って患者で、特に症状の急変が認められないような場合には、対面によらな   い診断・治療が行われているところである。    したがって、情報通信システムを介しても、その時の医療水準からみて十分な   診察が担保できるのであれば、医師法第20条の無診察治療には当たらない。   それが担保できる技術的基準について今後明らかにしていく必要がある。  ・指摘事項が出てきた背景には、遠隔医療を実施する経済的インセンティブがない   こと、すなわち公的医療保険の適用がないことがあるのではないかと考えられる   が、このことと医師法第20条の規定とは別の問題である。  (遠隔医療について)  ・厚生省としては、従来よりへき地や離島における医療の確保に努めるとともに、   人口の高齢化や患者のニーズの多様化等を踏まえ、今後は在宅医療についても積   極的に推進していく方針である。  ・情報通信技術の進展を踏まえた遠隔医療の技術、システムの開発・普及は、こう   したへき地医療や在宅医療等を推進する上で重要な手段の一つであると考えてお   り、国として必要な施策の実施に努めていくこととしている。  指摘されている事項  (2)電子化された処方せんを「処方せん」として認めるべき。(記名押印又は     署名の廃止)  指摘事項に関連する法令等  ・医師法第22条   「医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合に   は、患者又は現にその看護に当たっている者に対して処方せんを交付しなければ   ならない。・・・」  ・医師法施行規則第21条   「医師は、患者に交付する処方せんに、患者の氏名、年齢、薬名、分量、用法、   用量、発行の年月日、使用期間及び病院若しくは診療所の名称及び所在地又は   医師の住所を記載し、記名押印又は署名しなければならない。」  ・薬剤師法第26条 「薬剤師は、調剤したときは、その処方せんに、調剤済みの旨(・・・)調調剤   年月日その他厚生省令で定める事項を記入し、かつ、記名押印し、又は署名しな   ければならない。」  厚生省の考え方及び今後の取り組み方針  ・処方せんについては、  (1)処方せんの交付は、医行為であり、医師のみが行いうるものであるため、     処方せんの交付者を特定する必要があること、  (2)処方せんは診療内容に関する重要な記録であり、適正に記載され、改ざんの     おそれがないよう保存されなければならないことから、   記名押印又は署名のなされた書面により交付するものとされている。  ・処方せんの電子化は、カルテ等の電子化と相俟って医療機関や薬局の事務の効率   化、患者サービスの向上につながるものと考えているが、処方せんの交付者の特   定やセキュリティ対策の標準化、等の技術的課題の解決が必要であるだけでなく、   関連制度との整合性の確保、患者に対する処方せんの内容の開示の確保、特定の   院外薬局への患者の誘導の排除等について慎重な検討が必要であり、これらの課   題について厚生省として今後研究していく。  指摘されている事項  (3)医用画像やカルテの電子保存を認めるべき。  指摘事項に関連する法令等  ・医師法第24条   「診療録は・・・5年間これを保存しなければならない。」  ・医療法第21条   「病院は、厚生省令に定めるところにより、・・・記録を備えておかなければな   らない。・・・」  ・医療法施行規則第20条 「診療に関する諸記録は過去2年間の病院日誌、各科診療日誌、処方せん、手術   記録、検査所見記録、エックス線写真並びに入院患者及び外来患者の数を明らか   にする帳簿とする」  ・平成6年3月健康政策局長通知   「エックス線写真等の法令に保存義務が規定されている医用画像情報については、   今般その電子媒体による保存に関して、技術的基準を別紙のとおり定め、これに   適合している画像関連機器を用いる場合には、エックス線写真等に代わって、光   磁気ディスク等の電子媒体に保存しても差支えないこととしたので、貴管下の関   係者への周知徹底を図られたい。」 厚生省の考え方及び今後の取り組み方針 ・検査所見記録等の諸記録については、これまで紙やX線フィルム等に限定して   運用してきたところである。  ・しかしながら、これらの諸記録の電子保存は医療機関等のインテリジェント化   が進む中で、病院事務の効率化、診断治療への支援等につながるものと期待さ   れる。  ・平成6年3月の健康政策局長通知により医用画像の電子媒体による保存の際の   技術的基準を明らかにするとともに、同年5月には「医用画像情報の電子保存   のあらまし」として解説書を発行した。  ・医用画像情報の電子保存については、通知の技術的基準に沿った共通規格を開   発した。  ・カルテについては、改ざんの恐れがないことが担保される必要があり、基本的   には書面による保存が必要であると解してきたところであるが、平成7年度か   ら(財)医療情報システム開発センターにおいて、その電子保存についての技   術的課題等について研究を行っている。 指摘されている事項  (4)医薬品の店舗販売の原則を緩和して通信販売を認めるべき。  指摘事項に関連する法令等  ・薬事法第37条   「薬局開設者又は一般販売業の許可を受けた者、薬種商若しくは特例販売業者   は、店舗による販売・・・以外の方法により、・・・医薬品を販売し・・・て   はならない。」  ・昭和63年3月薬務局監視指導課長通知   「・・・医薬品の販売に当たっては、その責任の所在が明確でなければならな   いこと、消費者に対し医薬品に関する情報が十分に伝達されなければならない   こと、医薬品の品質管理が適切に行わなければならないこと等が要請されると   ころであり、これらに鑑み、従来より、一般消費者に対し薬剤師等が直接に効   能効果、副作用、使用取扱い上の注意事項を告げて販売するよう医薬品の対面   販売を指導してきたところである。カタログ販売は、かかる対面販売の趣旨が   確保されないおそれがあり、一般的に好ましくないところである。   「(カタログ販売の)取扱医薬品の範囲は、容器又は被包が破損し易いもので   なく、経時変化が起こりにくく、副作用の恐れが少ないもので、一般消費者の   自主的判断に基づき服用されても安全性から見て比較的問題が少ないものであ   ること。当面、薬効群としては次の薬効群(15を指定)の医薬品に限ること   とし、・・・」 厚生省の考え方及び今後の取り組み方針  ・昭和63年3月の通知に基づき、従来より一定の範囲の医薬品についてカタロ   グ販売を認めてきたところであるが、さらに平成7年3月の通知により、薬効   群を追加したところである。  指摘されている事項  (5)その他  ・遠隔医療等について診療報酬が認められていない。  ・情報化の前提として医療機関の情報がもっと知られるよう広告規制の緩和をす   べき。  指摘事項に関連する法令等 ・健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法(厚生省告示)他  ・医療法第69条   「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関しては、文書その他いか   なる方法によるを問わず、何人も次に掲げる事項を除くほか、これを広告して   はならない。 一  医師又は歯科医師である旨   二  次条第一項の規定による診療科名   三  次条第二項の規定による診療科名   四  病院又は診療所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項   五  常時診療に従事する医師又は歯科医師の氏名   六  診療日又は診療時間   七  入院設備の有無   八  (院内掲示事項として厚生省令で定める事項)   九  その他厚生大臣の定める事項」  ・保険医療機関及び保険医療療養担当規則第2条の4   「保険医療機関は、その病院又は診療所内の見やすい場所に、第5条の3第4   項及び第5条の4第2項に規定する事項のほか、別に厚生大臣が定める事項を   掲示しなければならない。」   ※付添看護や入院時食事療養の内容・患者負担額等の状況  厚生省の考え方及び今後の取り組み方針  ・ある医療技術を診療報酬上評価するかどうかについては、中央社会保険医療協   議会の議論を踏まえ決定される。厚生省としては、今後遠隔医療に関する技術   の進展や実施状況等に応じて、診療報酬上の評価について検討していく。