第1回保健医療福祉サービスの情報化に関する懇談会議事概要 日時等 :平成7年2月16日(木)10:30〜12:00      厚生省特別第一会議室 出席委員:飯田委員、石井委員、大山委員、開原委員、黒木委員、斎藤委員、      佐谷委員、篠原委員、高橋(紘) 委員、高橋(武) 委員、仲村委員、      古川委員、吉田委員 1.開催に当たって多田事務次官より挨拶があった。 2.各委員及び厚生省事務局の紹介に引き続き、委員の互選により石井委員が  懇談会の座長に、また、座長の指名により大山委員が座長代理に選出された。 3.事務局より以下の資料について説明が行われた。  1)「情報化をめぐる最近の主な動き」  2)「厚生省の主要な情報化関係施策の概要」  3)「社会保障の現状等」 4.事務局の資料説明に対する質疑及び情報化問題全般に関するフリートーキング  が行われた。その概要は以下のとおり。 ○ 情報技術の利用は政策的な課題であると思っていたので、このような懇談会が  設置されたことは大変うれしい。   政策的な課題であるという意味は、国が情報化の環境整備や方向性について  政策課題として取り組むべきであるということ。これまでの個々のアプリケー  ションの開発等は初期の段階として国がやることには意義があったが、これか  らは個々の医療機関や民間に任せるべき。今後の国の役割は、基本的な制度の  企画立案や全国的な計画の策定及び基準の設定といったことではないか。この  懇談会でもそのような観点から議論していくべきではないか。 ○ この度の震災で医療情報が混乱し、何も指示できなかったということは反省  すべき点である。   今回、国立病院は一つも崩壊しなかったので、そのような拠点施設の通信回  線を高速の専用回線にしておくことが重要ではないか。また、そうした拠点施  設は各都市各都市に作り、相互にバックアップすることが必要。さらに、ヘリ  コプター等による拠点施設へのアクセスの確保も必要。 ○ 医療や福祉は情報化の最大の目玉である。これまで言葉では情報化を進める  と言ってきたが、いよいよ実現に向けて動きだしたという感じだ。   しかし、注意すべき点がいくつかある。一つは情報化というものが今までの  ように未来物語としてごまかせなくなる。また、コンピュータ化は使う側から  すれば合理的だが、サービスの受け手には人が誰も見えなくなってしまい、不  信感のようなものが生じてくる。合理化とこれらの問題のバランスを図りなが  ら、情報化を進めて行くことが必要。   もう一つは、遠隔医療などにおいて誰が責任を持つのかを明確にするという  ことである。専門家が検討してどこまで遠隔で画像が正確に見えるのか、医師  が責任をとれる範囲、とれない範囲を明確にすべき。いたずらに遠隔医療を推  進するというと、国民に過度な期待を生じさせることにならないか。 ○ 福祉の分野はこれまで専門職主義と官立主義で動いてきており、民間の取組  みをサポートし、自己増殖的に情報化を進めることが難しくなっている。地域  の先駆的な取組みをいかにサポートするかが重要。福祉においては、今まで公  私分断であったともいえる が、今後はポリシーを転換して公民協同で情報化  を進めるべきである。WHISNET(ウイズネット)にしても、ボランティ  ア情報など民間の様々な情報を加えていかないと完結しないと思う。   また、これからの情報化の焦点は福祉の情報化、特に介護が大きな鍵となる。 ○ これまで保健医療等の分野は、民間がやるのは悪であるという考え方が強か  ったように思うが、もっと民間企業の資源を活用すべきである。そうしないと  情報化問題はどこかで変形をして、おかしな形になるのではないか。 ○ 厚生省としてもG7電気通信閣僚会議などの国際的な動きに積極的にコミッ  トしていくべきではないか。 ○ 今回の震災で一番効果的だったのは地域の消防団であった。指示がなくとも  現場に急行し、救命作業を行った。情報をどのように使うのかを日ごろから訓  練していないと緊急時に迅速に対応できない。兵庫県五色町では住民の生活実  態を把握する目的から保健医療カードを導入した。また、過疎地であるので隣  の高齢者の状態を把握するためにCATVを導入した。このように情報化を図  るに当たっては、その目的がとりわけ重要である。 ○ 神戸の被災地に行ってみて、慢性疾患の患者さんの多くが自分が日頃飲んで  いる薬を覚えていないことに気がついた。情報というのは幾ら与えても受け取  る側が何故必要なのかという意識を持っていないと、与え放しになって役に立  たなくなる。情報化問題を考えるときはユーザー側の意識改革が重要。   また、現在医薬品の相互作用に関するデータベースづくりをしているが、そ  れを利用する薬剤師側から言えば、端末の操作等がうまく操れない者が多い。  養成教育の中に情報問題を入れて取り組む必要がある。   さらに、医師や薬剤師が医薬品の危険度などの情報を迅速に入手することが  重要であるが、こうしたシステムを考える場合も、こうした使う側の需要、ニ  ーズを把握してから取り組んでいくべきである。 5.懇談会の今後の進め方について協議が行われ、次のとおりとなった。 ・月1、2回程度開催し、本年7月頃までに報告をまとめる。 ・当面は、1)情報化の意義・目的、2)現在進めている情報化施策の評価と問 題点の分析、3)今後の情報化政策の在り方について、フリートーキングを重ね、 これを踏まえて事務局が報告案のたたき台を作成する。 ・パソコン通信を通じて、この懇談会に関する情報を提供するとともに、一般の 方の意見を聞くこととし、具体的な方法は次回検討する。 6.次回の懇談会は、3月10日午後3時半から厚生省特別第一会議室で開催す ることとなった。