2.医師養成の動向 (1) 医師養成の経緯 医学部(防衛医科大学校を含む。)の入学定員は,昭和59年の佐々木委員会中間意 見公表後,平成 6年までに,医学部80校のうち39校が入学定員(募集人員を含む。) の削減を行い,定員数は 7,715人(削減率7.7%)となっているが,その削減は全体と して当初目標とした10%に達していない。この内訳をみると,国立大学医学部(防衛 医科大学校を含む。)の削減率は 10.6%,私立大学医学部は5.1%であるが,公立大学 医学部では未だ削減がなされていない。 (2) 医師数の現状 平成 4年の医師・歯科医師・薬剤師調査による届出医師数は 219,704人(人口10万 対 176.5人)である。女性の占める割合は 11.9%で,年々増加傾向にある。 業務の種別にみると,届出医師の 96.5%が医療施設の従事者であり,基礎研究や公 衆衛生など医療施設以外の分野の従事者は 2.8%である。診療所の開設者の平均年齢 は60歳を越えており,また,近年の医師数の増加はほとんど,医学部附属病院や一般 病院などの勤務医として吸収されている。 (3) 諸外国の状況 欧米諸国においても,すでに医師過剰が問題となっている国では,入学定員の削減, 外国人医師の新規参入等の対策が講じられている。なお,わが国の将来の医師数は, 平成7年までに入学定員の10%削減を行ったとしても,これらの諸外国の現状を上回 るものと推計される。