臨床研修制度は、昭和43年の「医師法」改正によって創設され、以来四半世紀  が過ぎ去った。この改正前には水準の高い医師を養成するという観点から米国等の  例にならい医学部卒業後さらに1年以上の実地修練(インターン)を経ることが医  師国家試験受験資格の要件とされていた。   しかしながら、実地修練生の身分が明確でなくその処遇が不十分であったことに  加え、実地修練病院の研修指導体制が不備であったことを主な理由として実地修練  制度を廃止して、卒前教育と免許取得後の臨床研修の充実を図るべきであるという  意見が、大勢を占めるようになり、このような状況から前述のとおり「医師法」が  改正された。   臨床研修制度は、実地修練制度の廃止後において医師の資質の向上を目的として  制度化されたものであるが、実地修練と異なり、義務ではなく、医師の自発的努力  を期待する制度として位置付けられた。   その後、臨床研修については、本部会の前身である医師研修審議会から、プライ  マリ・ケアの基本的知識及び技能を修得できる研修の必要性及び方策が示され、さ  らに平成元年には、本部会として全ての研修医が達成すべき卒後臨床研修目標を設  定した。次いで平成4年6月に本部会意見として、臨床研修制度の改善を図るため  卒後臨床研修目標を達成できる「研修プログラム」による臨床研修への移行及び研  修施設群の導入を提言した。厚生省は、この意見に基づき、本年度から「研修プロ  グラム」による研修を推進しているところである。   また、臨床研修制度を努力規定から義務化にすることについての報告、要望が、  日本学術会議地域医学研究連絡委員会(平成6年2月)及び臨床研修研究会(平成  6年5月。臨床研修指定病院の長等の研究会)から出された。   本部会は、臨床研修制度の創設、改善の経緯やその意義、さらには日本学術会議  地域医学研究連絡委員会の報告、臨床研修研究会の要望、大学病院問題懇談会の報  告書(「臨床研修のあり方について」平成5年2月)等を踏まえつつ、21世紀の  高齢社会に対応した臨床研修制度改善の基本的な考え方及びこれに伴う課題等を中  間的にとりまとめた。