5.仕様書の標準化について  同じタイトルのプログラムでありながら、同一メーカー内でも大学毎に内容が異な っているのが現状である。メーカーが異なるとその差異はさらに顕著である。これは、 大学毎の業務の違いにもよるが、大学が提示する仕様書自体がプログラムの定義を明 確に記述していないことにも起因している。ソフトの有償化と標準化の推進を目指す なら、まず、仕様書をより明確な記述に改めることから始めねばならない。たとえば、 あるプログラムを定義するには、どのような型式のデータを入力して、どのようなテ ーブルを参照して、どのような処理を行い、どのような出力をどのような形式で出す かが、記述されてなければならないはずである。記述が明確であれば、後にトラブル を生じない契約が可能であるし、メーカーが設定したソフト価格の妥当性についての 評価も行える。上記のように定義されたプログラムの一覧表(メニュ−)をメーカー が用意しておいて、ユーザーは予算に応じて選択し、仕様書を作成すればよい。標準 化が進めばメーカーが異なってもメニュウに書かれているプログラムの定義は同じは ずである。本委員会では、このような標準的な仕様書作りのための提案を行うようメ ーカーに要請している。  なお、ソフトの品質保証に関して、国際標準化機構(ISO)が1991年6月に ISO 9000-3 という保証システムを定めており、わが國においても適用される方向に ある。今後、病院情報システムの仕様書作成や契約に際し参考となろう。