2.病院情報システムの標準化の対象と手順  一口に標準化といってもさまざまなレベルがあり、比較的簡単に実行できるものか ら、世界の動向などを見ながら長期的に計画しなければならないものまである。例え ば、図1は、標準化の様々な対象課題を、その性格や他の対象との関連を考慮しつつ 仮に7つのレベルに分類してみたものである。レベルが下になる程、情報自体の基本 的な標準化を示しており、上に行く程コンピュータ技術に関連した標準化となってい る。しかし、これらは全て相互に関連しており、下の基礎的な情報の標準化ができれ いる程、上のレベルの標準化は容易となる。  標準化の実行にあたっては、この図に示すような7つのレベルを理解しつつ、可能 なものから標準化を実施して行くことが現実的と思われる。この分類で、レベル5、 レベル6、レベル7は、いずれも極めて重要で早く実現を望みたい対象課題であるが、 医療情報だけの問題でなかったり、メーカー相互の国際的な標準化と関係する問題で あるので、本委員会としては早期解決の要望を産業界に対して行うにとどめざるを得 ない。レベル4は、病院の業務システムの相違によって、他の病院と同じ情報システ ムを使用することができないという問題であるが、これは本委員会で検討するより、 病院長会議や事務部長会議を通じて、標準化された病院情報システムに合わせて、業 務内容や業務手順を改める努力を病院管理者に対してお願いしなければならない。同 じ国立大学病院であるから共通の業務も多くあり、これらは標準化できる可能性は非 常ひ大きいはずである。したがって、本委員会で標準化のための検討対象として扱え るのは、主として、レベル1,2,3となる。 図1 標準化のレベルによる対象課題の分類 レベル7 OSの標準化 (異メーカーのHWで同一のAPが動く) レベル6 システム間インターフェース標準化 (データフォーマット、授受媒体/通信方式規約) レベル5 DBの標準化 (情報公開規定、相互アクセスの規約) レベル4 業務システム標準化 (機能、運用操作の統一) レベル3 出力帳表標準化 (出力項目、帳表レイアウトの統一) レベル2 マスターテーブル標準化 (マスターテーブルの共同整備) レベル1 用語・コード体系標準化 (用語の定義、同義語の整理、コードの統一)