■■■ 頭痛治療薬服薬指導 【疾患名】MP 頭痛(CP Headache) 【有病率】 【好発層】 【予後】 【概要と成因】 MD 頭部に感ずる痛みの総称.[原因疾患]感染症(感冒,脳炎,髄膜## 炎),脳血 管障害,頭蓋内腫瘍,中毒(急性一酸化炭素中毒,尿毒症など),頭部外傷,眼・ 鼻・耳・歯疾患,頚部疾患(頚椎異常,項部筋緊張など),精神的要因(不安,緊 張,過労など) 【分類と症状】 MP @血管性頭痛    1.片頭痛 古典型  閃輝暗点などの前駆症状を伴う.         普通型  前駆症状がなく経過が一般により遷延する.         群発頭痛 短い発作が集中して特に夜間に起こりやすい. 自律神経症状を伴い,中年男子に好発.         特殊型 (片麻痺型,眼筋麻痺型,顔面下半型など)    2.非片頭痛性血管性頭痛     (原因疾患)発熱,感冒,高血圧,二日酔い,側頭動脈炎,褐色細胞腫,動静 脈奇形,脳循環不全,その他 ## A筋収縮性頭痛    頭頚部ことに項部の筋の持続的収縮が筋の乏血を起こし,さらに筋を収縮させる という悪循環によって起こる.筋の収縮は緊張性性格の人に無意識的に起こるこ とが多いが,変形性頚椎症やむち打ち症などに起因する場合もある.   B混合性頭痛   @血管性頭痛と,A筋収縮性頭痛とが混在. ## C牽引性頭痛    頭蓋内の占拠性病変によって起こるものであって,その原因疾患は外科手術を要 する場合が多い(脳腫瘍,硬膜下血腫,脳膿瘍,その他).   D髄膜刺激による頭痛    一般に激しい頭痛であることが多く,原因疾患も重篤なものが多い(くも膜下出 血,急性・亜急性髄膜炎,その他).   E精神病に伴う頭痛    Aの筋収縮性頭痛と類似するが以下の点で異なる.    1.Aでは午後に頭痛が強くなるのに対して,Eでは午前中に頭痛が強い.    2.Eのほうが随伴症状が多彩.     3.不眠のある場合,Aでは入眠障害が多いのに対し,Eでは早朝覚醒の形をと りやすい. ## F目・耳・鼻・歯・その他の頭頚部疾患に伴う頭痛    (原因疾患)急性緑内障,急性・慢性の副鼻腔炎や中耳炎,虫歯.   G頭蓋部神経炎ないし神経痛 【治療薬剤の分類と特徴】 MP 1.血管性頭痛    1.片頭痛     発作時       @酒石酸エルゴタミン     発作間欠期      A抗セロトニン薬 (塩酸シプロヘプタジン)      Bβ-ブロッカー  (塩酸プロプラノロール,ピンドロール)     CCa拮抗薬  (塩酸フルナリジン,ニフェジピン,塩酸ジルチアゼム ,塩酸ベラパミル)      D血管収縮薬 (メシル酸ジヒドロエルゴタミン)      E抗血小板薬 (アスピリン,インドメタシン,ナプロキセン,ジピリ ダモール)      F抗うつ薬 (アミトリプチリン)      G抗てんかん薬 (カルバマゼピン)     Hその他 (塩酸クロニジン,スルピリド)     (群発頭痛)      I副腎皮質ステロイド剤      J炭酸リチウム (心疾患,腎疾患,脱水や下痢のある例,妊婦や授乳者 には禁忌)    2.非片頭痛性血管性頭痛      感冒,発熱,二日酔い→一般の解熱鎮痛薬      高血圧→降圧薬      脳血管障害・高血圧を伴う場合→降圧作用のある脳循環改善薬(塩酸ニカル ジピン,メシル酸ジヒドロエルゴトキシン,カリジノゲナーゼなど)・高血 圧を伴わない場合→降圧作用のない脳循環改善薬(酒石酸イフェンプロジル ,ビンポセチンなど)      側頭動脈炎 早期に副腎皮質ステロイドを使用.   2.筋収縮性頭痛      K筋弛緩薬(フェンプロバメート,クロルメザノン,塩酸トルペリゾン,塩 酸エペリゾン,アフロクァロン)      L抗不安薬(オキサゾラム,メダゼパム,クロチアゼパム,エチゾラム,ジ アゼパム)      ☆上記の副作用の少ない筋弛緩薬の中から1つを選んで投与し,これに催眠 作用の比較的少ない抗不安薬(オキサゾラム,メダゼパム,クロチアゼパ ム)を少量加えるか,筋弛緩作用の比較的強い抗不安薬(エチゾラム,ジ アゼパム)を単独で少量から漸増する.       変形性頚椎症などを伴う例ではビタミンE,B12製剤を併用. ## 3.牽引性頭痛     その原因となる占拠性病変に対する原疾患の治療が最も大切.     頭蓋内圧を下げるために副腎皮質ステロイド剤,イソソルビド,グリセロール 製剤,マンニトール製剤などが使用される. ## 4.髄膜刺激による頭痛     髄膜刺激症状を伴うくも膜下出血や髄膜炎では原病に対する治療が第一.対症 療法としては髄液排除,頭蓋内圧を下げるためのグリセロール製剤やマンニト ール製剤の使用,一般の鎮痛薬やリン酸コデインの使用などが行われる.   5.精神病に伴う頭痛     三環系抗うつ薬(アミトリプチリン),四環系抗うつ薬(マプロチリン),ス ルピリドなどが使われ,これに抗不安薬(エチゾラム)や睡眠薬を併用するこ とがある. 【禁忌の薬(理由)】 【合併症と対策】 【生活指導】 MP 片頭痛    心身のストレス,温熱寒冷,人混み,アルコール,亜硝酸塩を含むベーコンやチ ラミンの多いチーズ,赤ワインの摂取,経口避妊薬,グルタミン酸ソーダ(味の 素など)その他が誘因としてあげられるので,これらを避けることが大切. 【薬物療法以外の特記すべき治療法】 MP 筋収縮性頭痛 ## 心理的な緊張が筋収縮の誘因となっていることが多い→心理療法,バイオフィード バック療法などが行われる.一般に薬物療法とともに理学療法(局所の温熱療法, 超音波療法,マッサージ,柔軟体操  など)の併用が効果的. 【疾病に対する注意すべき臨床検査】 【疾病に関する用語】 MD 閃輝暗点    古典的片頭痛の前駆症状.視野の中に出現する,青白い光にふちどられた同名半 盲様暗点.徐々に拡大し15〜30分後消失とともに片頭痛が起こり,数時間後 に回復という経過をたどる.大脳後頭葉視覚領の血管運動系の異常が原因. MD バイオフィードバック療法    生体情報の出力の一部を生体に帰還させて,もとの出力を低減(負帰還)ないし 増大(正帰還)させる臨床技術をさす. 【メモ】 【参考文献】 ## Doctor's Advice